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『死霊列車』文庫表紙

『死霊列車』文庫表紙

『死霊列車』文庫帯

『死霊列車』文庫帯(初版バージョン)

死霊列車

Zombie Train,2008

作:北上秋彦

Written by Akihiko Kitakami

長編

角川書店(角川ホラー文庫)/本体743円+税

単行本初版:−

新書本初版:−

文庫本初版:2008年12月25日/総454ページ(40w×18L)

致死性ウィルス<ダーズ>蔓延で崩壊した日本
生存者と感染者の凄惨な死闘を描くゾンビホラー

 狂犬病によく似た症状を引き起こす致死率100%のウィルス<ダーズ>。
 感染すると一切の人間性を失ったゾンビのように凶暴化し、生存者を襲いはじめる。噛みつかれた人間も発症し、その数を増やしていく。発生からわずか10日たらずで国家機能は崩壊し、日本国民は滅亡の縁に立たされていた。
 感染した母親に襲われ、命からがら逃げ出してきた鉄道マニアの高校生、伊勢翔太は、地元の木次駅で運行されている観光トロッコ列車「奥出雲おろち号」を駆り、ウィルス災禍を免れている唯一の地、北海道を目指して列島縦断に挑む。
 ウィルスの秘密を握る研究員を救出した自衛隊特殊作戦群の隊員10名や、各地の生存者たちを拾いながら1600km彼方を目指して疾走する「おろち号」。その行方に待ち受けるのは、ゾンビの大群、脱線列車、ゾンビ狩猟隊を名乗る自警団…。
 北海道封鎖まで残り1日。生存者たちは、無事にたどり着けることができるか。

 あれあれな出来だった『吸血蟲』に比べ、はるかに面白い。あいかわらずホラー映画からのパクリ(インスパイアかな)が目立つけれど、全体の構成が自然につながり、物語が走り続けている。深く心に残る小説ではないけれど、読んでいる間は夢中にさせてくれる。良い意味でのハリウッド映画的な作品。
 残念なのは『吸血蟲』と同じ過ちを繰り返しているところ。たくさんの人物を登場させすぎて破綻してる部分が散見される。グランドホテルを目指しているのかもしれないけれど、描写が薄いために説得力がない。災禍の原因もこじつけ感が強く、ステレオタイプの権力者や陰謀劇も空々しい。う〜ん。

【サイト登録日】2009年3月1日 【ジャンル】ゾンビ・ウィルス・狂犬病・人類・絶滅・終末

▽メモ1文庫書き下ろし

▽メモ2奥出雲おろち号について

実在する観光電車。JRおでかけネット:車両案内:トロッコ列車 奥出雲おろち 12系

▽メモ3ダース発症〜終息までのタイムスケジュール

7月21日…夏風邪の診療にきた男性が最初の発症者。

7月30日…おろち号始動。北海道を目指して発車。

8月1日…午前0時、おろち号が青森検問所到着。

10月20日…日本政府がダース終息宣言。

▽メモ4致死的急性狂犬病症候群「ダーズ」について(p390)

「ダーズ(Death-dealing Acuteness Rabies Syndrome)」。「動物ならどんな培養細胞にも適用可能な狂犬病ウィルスベクターを作製している途中で偶然にできた」。特効薬は帯状疱疹の治療で使われるヘルバシクロビル。

▽メモ5「ダーズ」の発症(p271)

ウィルス感染から最長36時間以内。脳に近い部位を噛まれるほど早く発症する。未発症者の割合は10万人に1人。