全作品リスト

書名:短編集

書名:長編

書名:掌編集/実話怪談

書名:ホラー関連書

作家リスト

シリーズリスト

特集ページ

サイトトップへ戻る

本サイトについて

更新履歴

累計:

今日:

昨日:

『闇の殺戮者』文庫表紙

『闇の殺戮者』文庫表紙

『闇の殺戮者』文庫帯

『闇の殺戮者』文庫帯(初版バージョン)

『闇の殺戮者』単行本表紙

『闇の殺戮者』単行本表紙

闇の殺戮者

Satsurikusha,2000

作:北上秋彦

Written by Akihiko Kitakami

長編

双葉社(双葉文庫)/本体695円+税

単行本初版:2000年1月xx日

新書本初版:−

文庫本初版:2003年12月20日/総408ページ(41w×18L)

廃ビルに幽閉された7人を襲う復讐の影
獣じみた殺戮者との死闘を描くスプラッターホラー

 暗闇の中で目覚めた7人の男女。舜平、泉美、栄次、慶子、菊雄、昭彦、佳恵。同じ高校に通い、いまはそれぞれの人生を歩んでいるかつての同級生たち。
 泉美を除く6人は、共通の罪を背負っていた。身体に障害を持つ同級生の西小路秀樹を執拗にいじめ抜き、自殺に追い込んでしまったことだ。
 かすかに雨音が聞こえてくる。廃ビルと思わしき場所に閉じ込めらているようだが、窓や出入口はもれなく鉄板で塞がれている。
 脱出路を探す7人の耳に獣のような唸り声を響いてくる。なにがいるんだ?
 彼らは知らなかった。モンスターと化した秀樹が潜んでいることを…。一人息子を溺愛する資産家の両親がホルモン投与と電気ショック療法によって作り出したモンスター。強靱な肉体と崩壊した精神を持ち、腐った肉を食べ、玩具で遊ぶように人体をバラバラにする化け物。
 記録的豪雨で氾濫した川が、廃ビルを呑み込もうとしている。脱出なるか!

吸血蟲』とほぼ同時期に執筆されたであろう作品。『吸血蟲』の項でも書いたけれど、ハリウッド映画のつぎはぎ以上のものではなく、どっかで見たことあるシーンが続く。セリフも説明口調で不自然。ラストには『13金』のシリーズ1作目のような仕掛けがあるけれど、蛇足のような気もする。
 薬物と電気ショック、ロボトミーなどの人体改造で生まれ変わった殺戮者、秀樹。いわずと知れた『フランケンシュタイン』の模倣であり、本作も「一番怖いのは普通の人間」を伝えたかったみたい、と好意的に解釈しておく。筆力のある作家なので、クライマックスの洪水シーンだけは読み応えがあった。

【サイト登録日】2009年4月29日 【ジャンル】殺人鬼・復讐・異形

▽メモ1連載

月刊『小説推理』1999年5月号〜11月号に連載後、加筆・修正して刊行。