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『湘南人肉医』文庫表紙

『湘南人肉医』文庫表紙

『湘南人肉医』文庫帯

『湘南人肉医』文庫帯(初版バージョン)

湘南人肉医

Shonanjinnikui,2003

作:大石 圭

Written by Kei Ohishi

長編

角川書店(角川ホラー文庫)/本体552円+税

単行本初版:−

新書本初版:−

文庫本初版:2003年11月10日/総302ページ(40w×18L)

人を食べることで得られる至高のエクスタシー
タブーに魅せられた食人整形外科医の軌跡

 目を見張るほどの巨漢、小鳥田優児。神の手を持つ、と評判の美容整形外科医であり、多くの女性たちに人造の美を与え続けていた。
 湘南の海を見おろす高級マンションのペントハウスに住み、世界中の孤児たちに惜しみのない金銭支援をしている。そんな彼の密かな性癖…。
 拉致した女性を殺害して食べること。
 落ち着いた物腰と善人の笑みで、ときには財力に物を言わせて部屋に連れ込んだ女性たちを殺害。自ら解体と調理を行い、舌鼓を打つ食人鬼なのだ。
 なぜ、人肉を食べるのか。優児にも理由はわからなかった。ただ、吸引した女性の臀部脂肪をこっそりと持ち帰って口にしたとき、強烈なエクスタシーと共に飢餓感が癒されるのを覚えた。ただそれだけのことだ。
 彼は最愛の者を食べる、という究極の欲求を満たすべく、誘拐した赤子の育児を始める。「早く大きくなって、僕の舌を楽しませておくれ…」。

 食人に理由はない、と書いてみせる。心の歪みを突き詰めない。
 一見すると思考の放棄っぽいけど、作者自身が共感を得たい、理解させたい、と思ってないはず。荒技で、安っぽい。扇情的で、刺激的。低予算スプラッター映画のような味わいがある。これもホラー小説の1つの形態。
 心の闇を掘り下げない手法なので「どうして?」という疑問がつきまとう。それでも一気に読み切れたのは、作者の文章力に負っているところが大きい。理路整然としており、殺害シーンやセックス描写が細密のわりには読みづらさがない。例えは悪いけど、ピッカピカに磨かれたトイレという感じ。

【サイト登録日】2009年5月5日 【ジャンル】食人・カニバリズム・殺人鬼

▽メモ1文庫書き下ろし

▽メモ2おもな被害者(殺害順)

(1)田所朱美(30/主婦)…首つり自殺。防風林の中で発見した優児が初めて解体した女性。

(2)アジア女性(20代/売春婦)…ガリガリに痩せた売春婦。優児が初めて殺した。扼殺。

(3)一色百合絵(不詳/風俗嬢)…癌を患っていた女性。名前のみ登場。

(4)薄井綾(21/女子大生)…優児の元患者。部屋で刺殺。

(5)椎名亜美(29/OL)…レストランでナンパ。部屋で扼殺。

(6)木下真奈美(17/高校生)…援助交際。車中で扼殺。

(7)山口由紀菜(17/高校生)…援助交際。優児に誘導されて首つり。

(8)松下静香(27歳/主婦)…沙弥香の母親。詳細不明。

(9)秋本加奈子(35〜37?/病院長の娘。)…優児の子供を妊娠していた元恋人。胎児の行方や殺害方法などは描写なし。

(10)松下沙弥香(10〜13?)…優児が誘拐した赤子。スズランと命名して育てている。唯一の生存者。

大石圭 大石 圭