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『川を覆う闇』文庫表紙

『川を覆う闇』文庫表紙

『川を覆う闇』文庫帯

『川を覆う闇』文庫帯(初版バージョン)

川を覆う闇

Darkness Over The River,2007

作:桐生祐狩

Written by Yukari Kiryu

長編

角川書店(角川ホラー文庫)/本体552円+税

単行本初版:−

新書本初版:−

文庫本初版:2007年5月10日/総292ページ(40w×18L)

「浄神」と「不浄神」の終わりなき戦い
臭くて汚い描写を満載した汚物ホラー

 部屋を汚物とゴミまみれにしたまま失踪した女性、森志穂子。謎めいた彼女を捜索する警備会社の土岐順。
 同じ頃、町を横断する川の岸に謎の物体がへばりついているのが発見される。海中動物のコロニーを思わせる物で、中からは薄汚れ、悪臭を放つ人のような形をした黒い影が出現する。
 世界中の人間が盲信する「清潔信仰」によって、長い眠りに就いていた「不浄神」は、森志穂子という素材を得て、ついに実体化したのだった。
 土岐の婚約者である杉山春菜は、森志穂子に共鳴して不浄神と一体化したとき、町はあらゆる物を腐敗させる灰色の霧「世界穢(せかいえ)」に覆われる。
 救援活動は音沙汰なく、完全に孤立した人々は、不潔さにこそ生の喜びがあると考え、ゴミと汚物まみれの腐った町の中で生活を始める。
 しかし、対極の存在である「浄神」も眠りから目覚めようとしていた。

「浄神」と「不浄神」という二神論をブチ立てて人間を巻き込む不潔戦争。蓋を開けてみれば、お片付けできない女の子が「私は特別なのよ!」と不浄神と一体化し、味わってきた屈辱や疎外感を爆発させる。小さな町でチマチマやられてもね。日本全国を巻き込むくらいの大風呂敷を広げるべきでしょ。
 神の言い分は稚拙だし、登場人物たちも中身ペラペラ。極端に薄いカルピスを飲んでる気がした。好きな人もいるだろうけどね、という感じかな。
 文章の調子から判断する限り、汚物をブチまけた小説を書く、という目標は達成したので、作者本人はきっと満足していると思う。

【サイト登録日】2009年7月4日 【ジャンル】ナスティ・汚物・神

▽メモ1第7回日本ホラー小説大賞長編賞最終候補作品

▽メモ2表紙の絵画

イギリス人画家リチャード・ダッド(1817〜1886)の代表作『お伽の樵の入神の一撃(The Fairy Feller's Master-Stroke)』。

▽メモ3オカルト同人誌「ナイトシェード」

主人公たちが作っている同人誌で、おもに都市伝説を扱っている。