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『真理 MARI』文庫表紙

『真理 MARI』文庫表紙

『真理 MARI』文庫帯(初版)

『真理 MARI』文庫帯(初版)

真理 MARI

Mari,2005

作:加門七海

Written by Nanami Kamon

長編

光文社(光文社文庫)/本体476円+税

単行本初版:−

新書本初版:−

文庫本初版:2005年7月20日/総247ページ(40w×16L)

憎悪から生まれた生霊が巻き起こす恐怖
怪奇現象に日常を侵された女性の運命は…

 実家に戻ってきた旅行代理店勤務のOL、安芸亮子。地元で暮らす小学校時代の友人たちと久しぶりに再会し、かつて「キンケシ」と呼ばれた幼稚な同級生の森本も2児の父親となっていることを知らされ、時の流れを感じるのだった。
 ある日、朝刊に紛れていた1通の手紙。「もう、彼には近づかないで」。
 誰かと勘違いしている、と無視した亮子だったが、その日を境にして、非通知電話、手紙とイヤがらせはエスカレートしていく。
 飲み会の席にやって来た森本の妻、真理と顔を合わせた亮子は、彼女こそストーカー本人であると察する。嫉妬の憎悪によって生霊と化した真理は、さまざまな怪奇現象が引き起こし、亮子の日常生活に恐怖に染め上げていく。
 首つり自殺を遂げた真理は、いよいよ死霊となって執拗に亮子を苦しめる。
 精根尽き果て、逃げ場も失くした亮子は、真理と対決することを余儀なくされるのだが…。

 作者の長編は『203号室』『祝山』に続いて3冊目だけど、一番おもしろかった。真理の悪意、翻弄される主人公の恐怖がよく描けていると思う。
 他の作品もそうだけど、主人公の女性たちが作者の投影であることがよくわかる。超常現象に対する恐怖の感じ方、行動の取り方を当たり前に描く。立ち向かったりせず、さっさと逃げ出す。また、可愛らしい仕草をする女性を「嫌らしい女」と妬んでみせる。こうした生々しい描写を積み重ねることで親近感が生まれ、読み手との距離感が縮まる。この感覚を大切にし、軽佻浮薄な文章にもっと気を配れば、もう少し大きな作品が書ける作家になれると思う。

【サイト登録日】2009年8月1日 【ジャンル】幽霊 亡霊 ゴースト 怨霊 嫉妬 ストーカー

▽メモ1文庫書き下ろし

▽メモ2虫を模した真理の生霊(p106〜p107)

「黒くて硬い胴体はハサミ虫のように細長く、かすかな光沢を放つ。折れ曲がった脚を持ち、触覚はないが、2つに分かれた髪の束がある。女性の顔で白い額、小さな唇は少女を思わせるが、目は昆虫のように真っ黒。薄いピンク色の窒広げて飛ぶ」