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『ゲスト』文庫表紙

『ゲスト』文庫表紙

『ゲスト』文庫帯(初版)

『ゲスト』文庫帯(初版)

ゲスト

Guest,2005

作:保科昌彦

Written by Masahiko Hoshina

長編

角川書店(角川ホラー文庫)/本体743円+税

単行本初版:−

新書本初版:−

文庫本初版:2005年11月10日/総457ページ(40w×16L)

人から人に感染していく怨霊の呪い
デジタル社会とオカルトを融合したITホラー

 プレイヤーの行動でストーリーが変化するオンラインゲーム『ゲスト』。
 画期的なシステムゆえ、開発は遅々として進まなかった。そんなある日、クリエーターの父親が勤務先の保育園で男児に大けがを負わせる事件が起こる。
 フリーのゲームシナリオライター、相川尚史が好奇心から調査したところ、市井の人々が突然暴力を奮う事件が多発していることを知る。その原因は、『ゲスト』の背景画像として一般募集した風景写真の1枚にあることを突き止める。
 大正3年、母の病の回復に生き肝が効く、と信じ込まされた板東義松なる男が大量虐殺を繰り広げた現場。跡地を収めた写真から発せられる怨念が人々に感染し、暴力行為に走らせる。感染した人は、卵の夢を見始め、殻が割れると暴力が発露するという。感染した相川は卵の夢に怯えるが、妻もまた感染したことを知る。ゲームが公開されれば日本中に暴力の連鎖が広がるだろう。
 怨念を断ち切るべく奔走する相川たちだったが…。

 とにかく無駄に長い。ホラー大賞長編賞受賞作『相続人』でもそうだったけど、この作者は描きすぎてしまうところがある。あらゆる所作、会話、出来事を文章にしないと気が済まないという感じ。「必要だから長い」と「無駄に長い」には、砂糖と塩くらいの違いがある。
 長さに足をすくわれている本作は、緊張感や恐怖感がブツ切れだけど、デジタルメディアを介した怨念ホラーというネタはよいと思う。『相続人』同様に物語のキーを握るのは怨霊だけど、しつこくて悪質な割には、なぜそれほどまでに祟るのか、という理由が薄っぺらいから存在感ゼロ。ちょっと残念。

【サイト登録日】2009年9月1日 【ジャンル】幽霊 亡霊 ゴースト 怨霊 感染 デジタル ネット

▽メモ1文庫書き下ろし

▽メモ2夢の中の卵(p314)

板東の霊は人から人へと乗り移っていき、破壊衝動の卵を感染者に産み付ける。卵は感染者の怒りや憎しみを糧に成長する(p314)、という風に述べられています。著者自身が昆虫や寄生虫をイメージして描いたようです。

▽メモ3作中ゲームの正式名称

<ミレニアム・ドーン>シリーズ第2弾ドラマティック・サイコ・サスペンス<ゲスト>(開発会社:デジタル・コミュニケーション・ファクトリー21)