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『粘膜蜥蜴』表紙

『嘘神』表紙(初版)

『粘膜蜥蜴』文庫帯(初版)

『嘘神』文庫帯(初版)

嘘神

Usogami,2009

作:三田村志郎

Written by Shiro Mitamura

長編

角川書店(角川ホラー文庫)/本体667円+税

単行本初版:−

新書本初版:−

文庫本初版:2009年10月25日/総407ページ(40w×18L)

嘘神を出し抜いて生き残るのは誰だ!
第16回日本ホラー小説大賞長編賞受賞作品

 錆びが浮いた鉄の壁。扉は見あたらず、4mほど頭上では12本の蛍光灯が光りを放っている。部屋にあるものはゲームの道具とおぼしきトランプや磁石式ダーツ、鉛筆、メモ帳…。
 そんな密室で目覚めた6人の高校生たちは顔を見合わせる。自分たちの身に何が起こったんだ。途方にくれる彼らに語りかける存在がいた。
「私は嘘神。最後の1人になったら現実へ帰してやろう。生き残れ」
 嘘神を名乗る存在は、7つのルールを言い渡す。ただし、そこには1つの嘘が含まれているとも…。考エルンダ。コノ世界デハ、考エルコトガ大切ダ。
 おおらかな性格の巨漢ヤスと引っ込み思案の恋人カスミ。金髪で軽薄なダイチと、彼の子供を密かに妊娠してるミカ。頭脳明晰のユミと、彼女に恋心を抱くコーイチ。仲の良い友人だった6人の結束は飢えや空腹の前に瓦解し、生き残るという本能のままに争うことを余儀なくされる。

「お前、あの子とどうゆう関係なん?(p304)」。この台詞をすんなりと受け入れられるなら、親近感や臨場感を持って読めると思う。違和感を感じるならば最初の数ページを読んでから判断したほうがいい。
 文章はさておき、本作は映画『SAW』から着想を得ているようで内容に目新しさがない。6人の登場人物は似たり寄ったりの過去を背負っており、同じような話し言葉を使うので、誰が誰やら…。生死を賭けたゲームもありきたり。
 そもそも序盤で語られる飢えや渇きの恐怖は置き去りで、水も飲まないくせに喚く、叫ぶ、殴り合う、と元気一杯。次作はもう少しがんばろうね。

【サイト登録日】2010年3月15日 【ジャンル】神 ゲーム 殺人 高校生

▽メモ1第16回日本ホラー小説大賞長編賞受賞。

▽メモ2応募作を加筆・修正して刊行(巻末に選評、著者受賞の言葉掲載)。

▽メモ3嘘神のルール(p16〜p17)

(1)人数分の水を与えるが、1本にアルカリ性毒物が混入されている。

(2)人数分の食料も与えるが、毒物は入っていない。

(3)人の命を奪った者には、安全な水と食料を与える。

(4)この世界で何かを賭けたとき、嘘神が取り立てる。

(5)生き残った者は2人になったとき嘘神が再度現れる。

(6)生き残った者の望みがあれば1人生き返らせる。

(7)嘘神の言葉には1つだけ嘘が含まれている。