全作品リスト

書名:短編集

書名:長編

書名:掌編集/実話怪談

書名:ホラー関連書

作家リスト

シリーズリスト

特集ページ

サイトトップへ戻る

本サイトについて

更新履歴

累計:

今日:

昨日:

『ジュリエット』単行本表紙(初版バージョン)

『ジュリエット』単行本表紙(初版バージョン)

『ジュリエット』単行本帯-表面(初版バージョン)

『ジュリエット』単行本帯-表面(初版バージョン)

『ジュリエット』単行本帯-裏面(初版バージョン)

『ジュリエット』単行本帯-裏面(初版バージョン)

ジュリエット

Juliet,2001

作:伊島りすと

Written by List Ijima

長編

角川書店/本体1,400円+税

単行本初版:2001年7月10日/総364ページ(43w×19L)

新書本初版:−

文庫本初版:2003年9月10日

人の思い出をよりどころにして甦るゴーストたち
南国を舞台にした第8回日本ホラー小説大賞受賞作

 大地震、妻の過労死、連帯保証人の債務による自己破産…。災難続きの小泉健次は、中学生の娘瑠華、小学生の息子洋一をともなって南国の島へ渡る。
 バブル崩壊でジャングルの中に打ち捨てられたゴルフ場の管理人職を得た健次は、クラブハウスを新居とし、心機一転をはかる。反抗的で無関心な娘との関係も修復せねばならないが、健次自身疲れ果て、殻に閉じこもっているのだった。
 瑠華は2つの秘密を持っていた。1つはカッターを使った自傷癖。もう1つは人や動物が死ぬ、もしくは死んだ場所に来ると、死に至るまでの光景が見える能力だった。彼女はその能力を「死場」と名付け、恐れていた。
 やがて、3人の前に幽霊が出没し始める。死んだ犬、猫、自殺した瑠華の同級生、亡き妻の美佐子までが…。
 この島では死者との対話を司る巫女「ユメミ」による儀式が行われていたという。日ごと実在性を増していく霊となにか関係があるのだろうか。

 思い出の中から誕生し、復活と死の反復を重ねるごとに実在性(物質化)を増していく幽霊、というアイデアはおもしろかった。南国の暑さ、ベタつく湿気、ジャングルの息苦しさを伝える文章力もある。
 一方で死を事前に見る「死場」という能力、目撃した者に憑依するという言い伝え「魂抜け」など、小さいなアイデアは放り出されたままで、ほとんど生かされていない。タイトルの「ジュリエット」と物語の関係も印象が薄い。
 無数のメモ書きをかき集めて並べた、という感じがする。全体的にちぐはぐな違和感が残り、大賞受賞というのはどうだろう。

【サイト登録日】2010年5月8日 【ジャンル】ゴースト 幽霊 ジャングル 南国 島 言い伝え 伝承

▽メモ1第8回日本ホラー小説大賞大賞受賞。

▽メモ2巻末に選評掲載。

▽メモ3「魂抜け(p62〜p63)」

 貝の中身に石を付けた糸を巻き付け、逆さに吊す。やがて重さに耐えかねて貝殻から抜け落ちる。その瞬間を目撃した者は貝の魂に憑かれ、祟られる。

▽メモ4「魂抜け」はミスリードさせる道具?

「観光客を脅かすための作り話(p239〜p240)」とはっきり書いており、魂抜けはホラ話です。幽霊出現、しいては物語全体には何の関係もないエピソードなんです。ミスリードを誘っているのでしょうか。