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『郵便屋』文庫表紙(15刷)

『郵便屋』文庫表紙(15刷)

郵便屋

Yubinya,1994

作:芹澤 準

Written by Jun Serizawa

長編

角川書店(角川ホラー文庫)/本体480円+税

単行本初版:−

新書本初版:−

文庫本初版:1994年4月25日/総238ページ(40w×16L)

復讐を執行する神出鬼没の郵便屋
第1回日本ホラー小説大賞佳作の因果応報ホラー

 商社の営業マン、萩原和人の生活は充実の一途だった。恋人の玲子とも近い将来結婚する。順風満帆の人生だった。その朝を迎えるまでは…。
 朝刊に目を通した和人は、小さな記事の中に中学時代の同級生の名を見つける。トラックと正面衝突して死亡したという。級友たちとは十数年以上ご無沙汰であり、それほどのショックを覚えなかった和人だったが、玄関のポストにあった白い封筒の中身に驚く。新聞や雑誌を切り抜きで作られた一文。「ひとろごし」。
 仲の良かった5人の級友たちの相次ぐ事故死。毎日届く「ひとごろし」の手紙が和人に重くのしかかる。暗くよどんだ目を持ち、夏の熱波にも汗一筋垂らさずに自転車をこぎ続け、手紙の回収と配達を行う郵便屋。ヤツは何者だ。いじめを苦に理科室で首吊り自殺をした同級生の怨霊とでもいうのか。
 ついには職場にも出没する郵便屋だが、同僚たちにその姿は見えないのであった。錯乱のあげく仕事と恋人を失った和人に迫る郵便屋が告げた真相とは?

 過去に苦しめられるというシチュエーション。個人的にはこうした因果応報ホラーを「しっぺ返し系」と呼んでる。
 それはさておき、記念すべき第1回ホラー小説大賞の佳作に選ばれた本作は、そつのない出来映え。そつはないけど、新鮮味や驚きもない。
 しっぺ返し系ホラーの読みどころは、外堀を埋められて逃げ場を失う恐怖が大きいと思うのだけど、本作の主人公からは焦りや絶望が伝わってこない。郵便屋も意外と多弁で怖くないし、最後は『恐怖新聞 -Wikipedia』よろしく転職が待っている。新人の公募作品としては手垢にまみれている印象を受けた。

【サイト登録日】2010年10月19日 【ジャンル】復讐 怨霊

▽メモ1著者はいま?

 受賞後、小説誌『野性時代 1994年6月号(角川書店)』に「ひとりっこ」なる作品(短編ホラー?)を発表しているようですが、それ以降は筆を擱いているようです。