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『混成種-HYBRID-』文庫表紙(2刷)

『混成種-HYBRID-』文庫表紙(2刷)

混成種-HYBRID-

Hybrid,1994

作:カシュウ・タツミ

Written by Tatsumi Kasyu

長編

角川書店/本体500円+税

単行本初版:−

新書本初版:−

文庫本初版:1994年4月25日/総293ページ(40w×17L)

植物と金属の融合がもたらした狂気の産物
第1回日本ホラー小説大賞佳作

 天才科学者の黒田義則が発明した種子チップ。植物の遺伝情報を組み込んだ集積回路で、金属イオンを養分として金属の花を咲かせるが、成果は黙殺された。
 失意と屈辱に打ちのめされた黒田は、種子チップと金属植物を人間の代用神経にすることを思いつく。成功すれば身体の不自由な患者に福音をもたらすはずだ。
 外科医の友人、林の助力を得て、動物実験を成功させていく黒田。しかし、林の運転する車が事故を起こし、助手席の黒田は半身不随になってしまう。
 自責に念にかられた林は、やむをえず黒田の身体に種子チップの埋め込み手術を行うと、わずか1ヶ月で黒田は四肢の自由を取り戻したのだった。
 研究は世界中で話題となり、一躍時の人となる黒田だったが、その体内では脳に達した金属の神経網が新たな人格が誕生させ、反旗を翻したのだ。
 黒田の心身を支配した種子チップは、脳の全領域を覚醒させて念動力を手中にし、新たな肉体を得るために妹の那由多をレイプして出産させようとする。

 野心的な科学者と新発明の登場。この時点で「科学の暴走が生み出す恐怖と悲劇」という物語を予想してしまう。この予想を覆す展開があれば拍手喝采を贈るけれど、本作は残念なことに創意工夫が足りず、筆も及んでいない。
 いわゆるマッドサイエンスはホラーやSFの王道テーマであり、すでに数多の作品が世に出ている分だけ、新鮮味を与えるのは難しいのではないか。このテーマに挑んだ著者の心意気は買うけれど。
「だがなァァッ、これで勝ったと思うなよォォォッ!(p123)」などのセリフが大量にあり、悪い意味で鳥肌が立った。ジョジョ? 源平討魔伝?

【サイト登録日】2010年12月2日 【ジャンル】金属植物 超能力 念動力 EPS 狂科学 マッドサイエンス セックス

▽メモ1第1回日本ホラー小説大賞佳作

▽メモ2金属生命体ホラーあれこれ

 有機物を金属質へ変化させる技術者が登場するサックス・ローマー作『チェリアピン(Tcheriapin,1920)』や、コンピューターが人間を妊娠させるディーン・R・クーンツ作『デモン・シード(Demon Seed,1973)』など。

▽メモ3金属植物の描写(p75)

 闇を照り返す太陽電池の葉、花弁を作る鉄片、中央にある花心のダイオードが点滅する。