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7
7(Seven),2002
作:瀬川ことび
Written by Kotobi Segawa
長編
角川書店(角川ホラー文庫)/本体514円+税
単行本初版:−
新書本初版:−
文庫本初版:2002年11月10日/総230ページ(40w×18L)
北斗七星の力を封じ込めた正邪の剣<七星剣>
ミステリアスな古代史に材を得た伝記ホラー
浪人生の長谷川那津は、母親に懇願されるまま、しぶしぶと広島の遺跡発掘現場に足を運ぶ。1週間帰宅しない兄の聡史を探しにやってきたのだ。兄の交際相手である亜希子なる女性がこの発掘現場にいるらしいのだが…。
しかし、亜希子は出土した有柄細型銅剣を持ち逃げしたらしい。共犯として疑われた職員に詰問される那津だったが、偶然通りかかった妙見山剣星寺の住職、常元宗春・知哉親子に救われる。
宗春は言う。出土した銅剣こそ七星剣。使い手によって正邪のいずれにも力を発揮する北斗七星の力を封じ込めた剣。我らは北斗七星から北辰(北極星)を護る使命を帯びた「ふたつ星」であり、七星剣を封印せねばならない。
とうてい信じられぬ那津だったが、剣の巫女を名乗って現れた亜希子があっさりと人を斬り殺すさまを見て、すべてが真実であることを悟る。しかも亜希子に命じられるまま、すべての後始末に精を出す兄の姿があったのだ!
ユーモアあふれる著者の短編ホラーはけっこう好きだけど、本作はひいき目に見ても失敗作。
シリーズ化を目指していたのか、人物紹介的な内容に終始しており、物語はあってなきがごとしの添え物状態。
シリーズ化はさておき、著者が今後の執筆の柱に「古代史」を据えようとしたのが読み取れる。ここが本作の一番の問題点で、古代史のうんちくをぎっしりと詰め込んでいるけれど、それが物語に深みを与えていない。ちょっとキツい言い方になるけど、”羅列しただけ”。商業作家がやっちゃダメでしょ。
【サイト登録日】2011年9月21日 【ジャンル】伝記 古代文明
▽メモ1文庫書き下ろし
▽メモ27とは?
北斗七星も含めて古来より「7」には不吉な神話や言い伝えが多い、ということを表しているようです。