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『アンデッド 憑霊教室』文庫本表紙(初版)

『アンデッド 憑霊教室』文庫本表紙(初版)

『アンデッド 憑霊教室』文庫帯-表面(初版)

『アンデッド 憑霊教室』文庫帯-表面(初版)

アンデッド 憑霊教室

Undead Hyourei Kyoshitsu,2009

作:福澤徹三

Written by Tetsuzo Fukuzawa

長編

角川書店(角川ホラー文庫)/本体552円+税

単行本初版:−

新書本初版:−

文庫本初版:2009年3月25日/総229ページ(40w×17L)

相次ぐ自殺は<アンデッド>玄田の呪いなのか
サイコパスの恐怖を描く学園ホラー第2弾

 不死者<アンデッド>玄田道夫の霊に憑依された伏見守による連続殺人事件から3ヶ月後。伊美山で2人の大学生が相次いで首つり自殺を遂げる。悲劇は続く。美咲の同級生、佐々木恵が電車に飛び込み自殺したのだ。
 守の事件を期に校内いじめパトロールを実施する優等生の勇貴、哲平、耕介の3人。勇貴に逆らうことのできない耕介は、両親にもうとんじられ、将来の展望に希望を持てず、ほのかな自殺願望を抱えていた。さりとて自殺を実行することもできず、自殺サイトを見て憂さを晴らしている。そんなとき、4年前に起きた通り魔殺人事件の犯人、木島征士の写真に行き当たる。当時15歳だった征士の写真は目元こそ黒く伏せられているものの、鼻や口元は勇貴にそっくりではないか。
 勇貴と征士と同一人物ではないのか? 名前と年齢を偽って不知火高校で新たな人生を送りながら秘密を知った者たちを殺して回っているのでは?
 疑心暗鬼の耕介から相談を受けた美咲だったが、その背後に迫る魔手…。

 前作よりもオカルト色が弱まり、サイコパスを中心に据えている。これが良いか、悪いかはさておき、サイコパスの勇貴がいまわの際で改心するがごとく告白を始める展開は腑に落ちない。モラルのブレーキは、"絶対悪は存在しない"という若年層へのメッセージなのだろうか。
 シリーズを続けて読んだおかげでテーマが明確に見えてきた。いわく「虐げられてきた者が自分の意志で反旗を翻す」という若者の自立物語なのだ。究極の反面教師である不死者<アンデッド>玄田道夫がどんな残虐行為に及んでも、生きている者の魂の救済に着地するので、読後感は爽やか風味だ。