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『赤い糸』文庫本表紙(初版)

『赤い糸』文庫本表紙(初版)

『赤い糸』文庫帯-表面(初版)

『赤い糸』文庫帯-表面(初版)

『レッド・デッド・ライン』単行本表紙

『レッド・デッド・ライン』単行本表紙

『レッド・デッド・ライン』単行本帯 表面(初版)

『レッド・デッド・ライン』単行本帯 表面(初版)

『レッド・デッド・ライン』単行本帯 裏面(初版)

『レッド・デッド・ライン』単行本帯 裏面(初版)

赤い糸

Akaiito,2011

作:吉来駿作

Written by Syunsaku Kira

長編

幻冬舎(幻冬舎文庫)/本体648円+税

単行本初版:2009年2月25日

新書本初版:−

文庫本初版:2011年10月15日/総299ページ(38w×16L)

あらゆる病を治癒させる秘儀の代償は命…
赤い糸の呪いに侵されていく6人の男女の恐怖

 僕の初体験の相手であり、大好きだった叔母から聞いた話だ。
 不治の病を完治させる不思議な儀式がある。この秘密を口外すれば関わった人すべての命も奪われるのだ。語り終わった叔母は、肝臓ガンでこの世を去るのだが、いまわの際でこうも言った。「赤い糸は左の小指に巻かなくちゃダメ」
 大学生になった僕は、同じ講義をとっている林美鈴が気になっている。以心伝心で通じる相手なのに、彼女には高田という上級生の彼氏がいた。尊大な性格の御曹司だが、脚に重篤の障害を持っており、しかも末期の肺ガンをわずらっている。彼女が尽くしているのは、一途な愛か、それとも同情心ゆえか。
 そんな高田の病を完治させる方法が香港にあるという。儀式を行うには4人の部外者の同席が欠かせない。林美鈴に頼まれた僕は、彼女のために香港へ渡る。
 秘儀に参加した僕たちは、赤い糸で身体の一部分を結ぶようにいわれる。そして約束させられる。秘密は生涯口外しないこと。約束を破れば命をもらうとも…。

 処女作『キタイ』で感じた冗漫さがそぎ落とされた点を高く評価したい。
 序盤からラストが推察できる構成の甘さ、空々しい憎悪を吐露する悪役、ヒロインの性格(これを一途と呼んでいいのか?)には疑問符が付く。
 そうした欠点を吹き飛ばしてしまうのが、赤い糸が生み出す絶望であり、目の隅にチラチラと映る死に神の恐怖であり、近親相姦をさらっと描いてしまうグロテスクさ。これらが現代日本の、市井の暮らしに自然と溶け込んでいる風に読ませるあたりは巧みだ。
 儀式そのものが描かれていないのは残念。そこを読みたかった。

【サイト登録日】2011年4月26日 【ジャンル】アジア 香港 台湾 秘儀 呪い 死 治癒

▽メモ1文庫版は改題

 初刊時の単行本タイトルは『レッド・デッド・ライン』。
 著者の作品は文庫化でタイトル変更されることが多く『キタイ』も『ラスト・セメタリー 』と改題されている。