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『オリフィス』文庫本表紙(初版)

『オリフィス』文庫本表紙(初版)

オリフィス

Orifice,2004

作:保科昌彦

Written by Masahiko Hoshina

長編

角川書店(角川ホラー文庫)/本体648円+税

単行本初版:−

新書本初版:−

文庫本初版:2004年11月10日/総479ページ(40w×18L)

生命の砂時計を目の当たりにした刑事の決断とは…
本格刑事ドラマに超常現象を加味したゴーストホラー

 妊婦を狙う連続引ったくり事件が発生。身重の妻を持つ武蔵野署刑事課の北岡は、本庁捜査一課の刑事たちと捜査を打ち込むが、追跡中の容疑者に大けがを負わせる。追い打ちをかけるように郷里の母が病で死去したことを報された…。
 母の死に目に会えなかった罪悪感に打ちのめされ、夜の歌舞伎町で酒に酔いしれる北岡は、どこをどう歩いたか、「オリフィス」なるバーにたどり着く。
 ママとおぼしき年齢不詳の女性に誘われるまま、どこまでも続く地下へと降りてゆき、ついに開け放った扉の先には広大無辺な空間と、一分の狂いもなく並んだ棚、無数の砂時計を目にするのだった。
 砂時計に記載されている姓名と生年月日。生命の砂時計だというのか。信じられない北岡だったが、そこに容疑者の姓名が入った砂時計を見つける。叩き割ってしまいたい衝動は抑えたものの、手を滑らせて砂時計にひびを入れてしまう。
 翌日、バスの暴走事故が発生。死亡した運転手は、容疑者と同姓同名だった。その日を境に北岡の周囲で不可解な事件が続発するのだが…。

 ホラー小説大賞長編賞のデビュー作『相続人』、3作目『ゲスト』と同じで、いわく"よくできた2時間サスペンスドラマ"。一挙手一投足を描く作風ゆえ、ややもたつき感を覚えたけれど、整頓された文章なので読みづらさはない。
 著者が描くゴーストホラーは、怨念を核にしている。虐げられた者が怨霊と化して復讐する、というパターンだ。『四谷怪談』『番長皿屋敷』『吉備津の釜』などの古典怨霊譚をなぞっているようにも読める。良くも悪くも怪談の王道を狙っているのかもしれない。もっとも本作は刑事小説に近く、はたして著者自身がホラーを描いているつもりがあるのか、はなはだ疑問ではあるけど。

【サイト登録日】2011年5月7日 【ジャンル】警察 刑事 怨霊 時計 事件 復讐

▽メモ1第10回(2003)日本ホラー小説大賞長編賞に続く第2作目

▽メモ2オリフィス【orifice】とは?

 管路の途中に挿入して流路を絞り、変化した圧力を検出して流量を測定するための穴のあいた円板。(広辞苑 第六版 (C)2008 株式会社岩波書店)