全作品リスト

書名:短編集

書名:長編

書名:掌編集/実話怪談

書名:ホラー関連書

作家リスト

シリーズリスト

特集ページ

サイトトップへ戻る

本サイトについて

更新履歴

累計:

今日:

昨日:

『オーディション』単行本表紙(初版)

『オーディション』単行本表紙(初版)

『オーディション』単行本帯-表面(初版)

『オーディション』単行本帯-表面(初版)

『オーディション』単行本帯-裏面(初版)

『オーディション』単行本帯-裏面(初版)

『オーディション』文庫本表紙(初版)

『オーディション』文庫本表紙(初版)

『オーディション』文庫本帯-表面(初版)

『オーディション』文庫本帯-表面(初版)

オーディション

Audition,1997

作:村上 龍

Written by Ryu Murakami

長編

ぶんか社/本体1,600円+税

単行本初版:1997年6月1日/総213ページ(40w×17L)

新書本初版:−

文庫本初版:1997年12月25日(幻冬舎文庫)/総236ページ(41w×15L)

運命の女性との出会いに潜んでいた陥穽
完璧な愛情を求めるサイコパス美女の恐怖

 ビデオ制作会社を経営する青山重治は、7年前に妻の良子を癌で失った。そんな彼が再婚を考え始めたのは、15歳の息子、重彦から浴びた一言だった。「オヤジ、最近ショボクレた感じするよ、再婚でもすれば?」
 広告代理店勤務の友人に相談したところ、「オーディションで嫁さん候補を集めよう」と言い出す。架空映画の主演新人女優オーディションを開催する、という算段だ。吉川の手配でラジオ番組が編成され、4,000人の応募から絞られた100人の女性がオーディションへやってきた。
 オーディションの席で山崎麻美に出会ったとき、青山は衝撃と興奮を覚える。映画制作を口実に誘い出しては逢瀬を重ね、麻美も幼少時の虐待経験を告白する。そうしてお互いに心を開き、愛情を育んでいくのだった。
 伊豆のリゾートホテルで初めて身体を重ねたとき、麻美は言う。
「わかってる? わたしだけを愛してくれなきゃダメよ」
 それが呪詛であることを青山は恐怖と苦痛をもって知るはめになるのだった。

 セックス描写が巧みな作家は文章巧者だと思う。大石圭や、純文畑の藤沢周(『雨月』)もしかり。村上龍も生々しい官能描写を愉しませてくれる。
 管理人から見た村上龍とは「時代の風俗や思想をエグく切り取る純文学系エンタメ作家」なのだけど、なかなかどうして気色悪いホラーも描ける人だ。
 発刊当時に読んだときはサイコパス麻美が怖かったけど、15年後(2012年現在)に再読したら、お見合い相手探しでニセ映画オーディションをでっち上げる傲慢さ、会社経営者ながら高校生の息子となんら変わらぬ精神構造を持つガキ中年主人公など、現代社会の歪みやいびつさのほうが怖かった。

【サイト登録日】2012年11月11日 【ジャンル】サイコ 女性 殺人鬼 セックス

▽メモ1ハットピン(p189)って?

 飼い犬ギャングの四肢や青山の左足首を切断したハットピンなる調理器具。「両端に指を入れるリングのついた、細い紐状の鋼の刃物(p189)」と描写されていて想像はつきます。しかし、ハットピン、HATPIN、HUTPINで検索しても「帽子やショールを止めるピン」しか出てこないです。なにか別の呼び名があるのでしょうか。