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『ゆび』文庫表紙(旧デザインバージョン)

『ゆび』文庫表紙(旧デザインバージョン)

ゆび

Yubi,1999

作:柴田よしき

Written by Yoshiki Shibata

長編

祥伝社(祥伝社文庫)/本体619円+税

単行本初版:−

新書本初版:−

文庫本初版:1999年7月20日/総420ページ(43w×16L)

神出鬼没の凶悪な指に翻弄される首都東京
人類対悪魔の戦いをつづる「R 0」シリーズ第1弾

 今日が最後の酒だろう、と上村は思った。家族や住宅ローンを考えれば、リストラされた自分に贅沢は許されないのだ。そんな彼の目の前に現れた指。空中に浮かび、しきりに信号機のボタンを押しているさまは、酔いのよる幻覚だろうか。
 ある日の午後、上村は地下鉄駅の階段から老婆が転落する事故に出くわす。そのときに見たのだ。宙を浮かぶ指が老婆の背中を押し、消え去るところを…。同じ光景を目撃した小学校教師の新城繭子とともに上村は指について調べ始める。
 神出鬼没の指の行動は大胆かつ凶悪になっていく。満員電車で乗客たちの目を突いて失明させ、歌舞伎町でガス爆発を起こし、青酸カリを舐めさせて51人を殺害。ついには旅客機のパイロットに襲いかかって都庁に激突させる、という大惨事を引き起こすのだった。
 偶然にも指の捕獲に成功した新聞記者の旭は、独占取材を条件に警察へ提出するのだが、科捜研による分析でも結果は出なかった。
 指の正体は? 目的は? その暴走を止める方法はあるのだろうか。

 バーカーの短編『』のような肉体の反乱を描いているのかと勝手に思い込んで読み始めた。開始早々、指が宙に浮かんでいるシーン(p7)で、吹き出してしまった。ひょっとしたらホラーコメディなのか、と思ったくらい。
 物語の土台にあるのはシリアスな恐怖なのだけど、どうしてもピンとこない。突然現れた指に眼球を突かれたり、青酸カリを飲まされたり、というシーンも怖さを感じるべきなんだろうけど、なぜかゲラゲラと笑ってしまった。
 作風もあまり好みではない。とくに登場人物全員がおしゃべりで、説明や自分語りのセリフがドカっと塊で挿入され、どうにも緊迫感に欠ける。

【サイト登録日】2012年10月21日 【ジャンル】指 悪魔 航空機 飛行機 事故 都庁

▽メモ1本作はシリーズもの

 本作は『R 0(リアルゼロ)』シリーズの第1部にあたり、第2部『ゼロ』、第3部『R-0 Amour リアルゼロ・アムール』、第4部『R-0 Bete noire リアルゼロ・ベトノワール』まで刊行済み(いずれも祥伝社)。
 詳しくは著者公式サイトspace shibatayへどうぞ。

▽メモ2科捜研による指の見解

 捕獲した指を調べた科学捜査研究所いわく「指の質量ゼロなので錯覚である(p179)」という結論を出した(幽霊や超常現象といった非科学的事象を認めるわけにはいかないための処置)。

▽メモ3指を操る悪魔(p415)

 裕太少年がCGで再現した悪魔を父親へメールしたところ「古代アッシリア地方で出土した魔物の像によく似た物がある」という返信をもらっている。