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『D-ブリッジ・テープ』文庫初版表紙

『D-ブリッジ・テープ』文庫初版表紙

『D-ブリッジ・テープ』文庫初版表紙-帯

『D-ブリッジ・テープ』文庫初版-帯

『D-ブリッジ・テープ』単行本表紙

『D-ブリッジ・テープ』単行本表紙

D-ブリッジ・テープ

D-Bridge Tape,1997

作:沙籐一樹

Written by Kazuki Sato

長編

角川書店(角川ホラー文庫)/本体420円+税

単行本初版:1997年6月xx日

新書本初版:−

文庫本初版:1998年12月10日/総159ページ(41w×15L)

ゴミに埋もれた橋下での凄絶な生活
朽ち果ててゆく少年の独白でつづられる異色作

 横浜ベイブリッジ。通称D-ブリッジ。DumpのDとも、DustやDreamのDとも呼ばれ、不法投棄された廃物で埋もれているゴミ溜めになっていた。
 会議室に集った20人の老若男女を前にして相原が話す。「10〜13歳とおぼしき死んだ少年が抱えていたカセットテープです。これを聴けば、旧臨海区域の現状が分かっていただけると思います」。再生ボタンが押される。
「もし、今、これを……聞いてる奴が、いたとしたら……最後まで、聞け」
 5歳か、6歳のころ、オレはここに捨てられた。外へ出たとき、トラックに轢かれて右足を失った。外は危ない。オレはゴミの中に戻り、廃車を家として、猫を、虫を、鳥を食って生き抜いた。
 ある日、捨てられ、泣いている目の青い女の子に出会った。名はエリハ。目が見えない子だ。オレも名を聞かれたが、覚えてない。「わからねーんだ」といったら「ネーン?」といわれた。短くして「ネン」がオレの名前になった。

 日本ホラー小説大賞の選考委員、高橋克彦氏が「これだけの衝撃を与えられた作品は生涯でもほとんどない(p164)」と激賞。それに期待して文庫発刊時に読み、10年後の今日再読。2度読んでも違和感が残る。
 生理的嫌悪感ふんぷんのサバイバル描写を満載した前半、盲目少女との交流を描くメランコリックな後半のコントラストはお見事だと思う。その反面、少年が口にする言葉の数々(たとえば「ついばまれた(p48)」と難しい動詞)に違和感を覚える。少女から教わったとあるが、彼女とて9歳の設定。作者その人がチラつき、子供たちの憎しみや哀しみがどうにも胸に響かない。

【サイト登録日】2008年12月2日 【ジャンル】

▽メモ1第4回日本ホラー小説大賞短編賞受賞(巻末に選評を併載)

▽メモ2長編? 短編?

選考委員の高橋克彦氏が選評において「わずか二百枚足らずで成し遂げている(p167)」と述べています。2008年現在の日本ホラー小説大賞の短編賞応募要項は「400字詰め原稿用紙120枚以内」。1997年当時も同様の応募要項ならばページ数超過しています。本作は長編賞応募作品だったのでしょうか?

▽メモ3本サイトでは中編に分類

100ページ超のため、本サイトでは中編に分類(分類については本サイトについて:3-(4)参照)。