全作品リスト

書名:短編集

書名:長編

書名:掌編集/実話怪談

書名:ホラー関連書

作家リスト

シリーズリスト

特集ページ

サイトトップへ戻る

本サイトについて

更新履歴

累計:

今日:

昨日:

『お見世出し』文庫表紙

『お見世出し』文庫表紙

お見世出し

Omisedashi,2004

作:森山 東

Written by Higashi Moriyama

短編55ページ/『お見世出し』所収/角川ホラー文庫

Omisedashi,2004

30年前の宿願を果たすべく地獄から来た舞妓
第11回日本ホラー小説大賞短編賞受賞作品

 舞妓のお披露目行事である「お見世出し」。宮川町では知らぬ者がいない、というほど有名な小梅のお見世出しとはいったい…。
 京都の舞妓に憧れ、小学校卒業と同時にお茶屋「花流」へ仕込みさんとして住み込みを始めた小梅。中学校に通いつつ、家事をこなし、舞、三味線、鳴り物の稽古もする。1年も経つ頃には、お師匠さんたちから「筋がいい」と褒められるようになり、たびたび幸恵という女性に間違われるようになる。
 幸恵。天才舞妓として将来を期待されていたが、先輩舞妓たちの妬みと嫌がらせを受け、お見世出しを待たずして菩提寺で首つり自殺を遂げた女性。
 仕込みさん時代、幸恵と苦労を共にした「花流」の女将、小菊は、地獄の釜の蓋が開くといわれている8月8日、六道の迎え鐘の日を選んで小梅のお見世出しを行う。その想いが地獄へ届いたものか、幸恵の霊が出現する。
 お見世出しは無事に済むと思われていたのだが、幸恵の態度が豹変する。

 京ことばって心地よい。耳触りのよさは文字になっても健在で、ス〜っと頭に入ってくる。心地の良い体験。お座敷遊びなんてご身分じゃないから、舞妓さん、芸妓さんになるための道筋やしきたり、お茶屋さんの役割などを興味深く、筋立てもお上手。文章も丁寧で、作者のファンになった。
 ちょっと惜しいのは、中盤を過ぎるあたりから強引に引き延ばしている印象を受けること。ワンアイデアを細かく千切りすぎてしまった感じがする。
 ホラー大賞、短編、方言とくれば、『ぼっけぇ、きょうてぇ』と比べられてしまう点は致し方ないけど、ちょっと気の毒な気もする。

【サイト登録日】2009年6月21日 【ジャンル】京都・呪い

▽メモ1第11回日本ホラー小説大賞短編賞受賞。

▽メモ28月8日の迎え鐘の日?

8月8日は、六道珍皇寺(六道さん)の迎え鐘の日。地獄の釜の蓋が開いている日とも。六道珍皇寺 - Wikipedia