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『お見世出し』文庫表紙

『お見世出し』文庫表紙

お化け

Obake,2004

作:森山 東

Written by Higashi Moriyama

短編80ページ/『お見世出し』所収/角川ホラー文庫

Omisedashi,2004

現代の京都を跋扈する鬼の影
貴船の鬼伝説と因縁を描く花街ホラー

 OLを辞めて「伝乃家」にお仕込みさんとして入った弥千華。
 かつては宮川町切っての名妓と呼ばれた女将の春鈴、一番の売れっ子ながら気が強い春紅さんねえさん、霊感が人一倍強い春雪さんねえさん、先代女将の一人娘で子供ほどの身長にネズミの顔を持つ「小母(あば)さん」らに囲まれながら、苦労の末に芸妓となる。
 時は節分、お化けの日。芸舞妓たちが仮装をしてお茶屋を回る、という花街に続く風習。その昔、節分の鬼が現れたときに連れ去られないよう仮装をしてやりすごした、という謂われがある。
 意地の悪い春紅は、お化けの日の演目の相手役に新入りの仕込み、真奈を抜擢。イジメのような連日の厳しい稽古の末、ついにお化けの日を迎える。
 お化けの日をつつがなく終わらせ、伝乃家に帰宅した芸妓たちを待ち受ける特別な客。その容姿はまるで鬼のようであり…。

 途中まではすごく面白いのに後半でガクっと落ちる。「完結している物語をムリヤリ膨らませた」という印象がある。『お見出し』でも同様に感じた。
 春紅さんねえさんが霧を中をズンズン進んでいくシーンで筆を擱いたほうがよかった気がする。現実世界に鬼を登場させて「警察呼んで(P136)」は蛇足ではないかな。最後まで「夢、幻」のあいまいさを貫いてほしかった。
 蛇足と書いたのは、実は理由がある。一番好きな登場人物の「小母さん」が大けがを負わされ、病院に搬送されるシーンがあるためだ。小母さんは、現実と夢幻の狭間を生きる存在でいてほしかった。

【サイト登録日】2009年7月4日 【ジャンル】京都・呪い・鬼