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『姉飼』単行本表紙

『姉飼』単行本表紙

姉飼

Anekai,2003

作:遠藤徹

Written by Toru Endo

短編48ページ/『姉飼』所収/角川ホラー文庫

Anekai,2003

凶暴で麗しい姉を飼うことに一生を捧げた私…
第10回日本ホラー小説大賞大賞受賞作品

 私が生まれ育った村の特産物は、蚊除けとして重宝される「蚊吸豚」。年に一度の脂祭りでは、蚊吸豚の脂でこしらえた面をかぶって神輿行列をするが、人の体温で溶けた脂の猛烈な悪臭は村人でさえ失神しかねないほどだ。
 お祭りに並ぶ夜店の中でもとりわけ目を惹く"姉"。身体を串刺しにされて血を滴らせながら、ぎゃあぎゃあ鳴いて乱杭歯をむき出す。私は姉に魅了された。
 腕の良いすし職人として場末の飲み屋街に店を構えた私は、一家惨殺事件が起こった一軒家を格安で借り受けた。大枚をはたいて手に入れた姉と過ごす時間が、私の心のよりどころとなり、仕事中もそれしか考えられない。
 しかし、姉の寿命は短い。どんなに長くても3ヶ月、ときには3週間を持たずに死んでしまう。姉の魅力にとりつかれた者は、姉なしでは生きられない。業者に足下を見られているのは承知の上で、私は高額な金銭を支払い続ける。
 もはや金策も尽きた。私が姉を飼うのも、これが最後になるだろう。

 海老巣、葉等熟、夜余木などの当て字、若い豚は匂いがキツイ、串に貫かれた姉(デオダート!)などを現代風俗の揶揄と捉えるならば、やっぱり風刺劇として読むべきなんだろうな。これが6年前に読んだときの感想。
 どうやら違うらしい、というのが今回の感想。本作は怪獣マニア小説なのだ。鋭い爪を持ち、隙あらば肉を食いちぎり、「ぎょぐえぇぇぇっ」と鳴く姉。怪獣から卒業できずに成人したマニア主人公は、人生のすべてを捧げて姉を入手し、幸せを謳歌する。管理人も世間の尺度ではホラー小説マニアだろうけど、すごーく欲しい本でも3,000円超えると、かなり、かなり迷う。

【サイト登録日】2010年3月17日 【ジャンル】怪物 怪獣 都市伝説 モンスター マニア 夜市 露天

▽メモ1第10回日本ホラー小説大賞大賞受賞作品

▽メモ2姉の描写(p7,p41)

 太い串に胴体の真ん中を貫かれており、涙を浮かべながら鳴き、喚く。振り乱す黒髪に絡みつかれると大の男でも抵抗できないほど強く引きずられ、肉厚の唇と乱杭歯で噛まれたら肉を食いちぎられること必至(p7)。爪の長さは数十cmで、食事は生きた鳩(p41)

▽メモ3姉を注文するときは?(p37)

夜店のチラシにある番号へ電話をして「串を1本」

▽メモ4実は都市伝説小説?

「姉の達磨にされてしまう(p9)」などの描写から都市伝説小説としても読めます。