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『余は如何にして服部ヒロシとなりしか』文庫表紙(初版)

『余は如何にして服部ヒロシとなりしか』文庫表紙(初版)

余は如何にして服部ヒロシとなりしか

How I Became Hiroshi Hattori,2005

作:あせごのまん

Written by Man Asegono

短編46ページ/『余は如何にして服部ヒロシとなりしか』所収/角川ホラー文庫

How I Became Hiroshi Hattori,2005

オカルトの味付けとシュールな笑いの数々
第12回日本ホラー小説大賞短編賞受賞作品

 31歳の誕生日を目前に彼女にふられ、予備校講師職も投げ出た僕。
 自暴自棄の僕は、町で見かけた色っぽい後ろ姿の女性の跡をふらふらと追う。すると女性が振り向きざまに一喝する。「どういうつもり?」
 僕はとっさに口走る。「服部のお姉ちゃん? サトさんとちゃいますか?」
 鍵和田です、と名乗った僕の顔を見たお姉さんは、そうそう、鍵和田君や。ひさしぶりやな、と笑顔を浮かべる。適当に言ってみたが、幸か不幸か、中学時代の同級だった服部ヒロシの姉らしい。
 家に招かれた僕は「汗を流しなさい」という勧めを断れず、風呂場に通される。そこには中学3年の文化祭で作った張りぼての浴槽が置かれていた。お湯が張れるわけもなく、底には厚いにほこりがたまっている。
 愕然とする僕を尻目にサトさんがタオルで前を隠しながら登場するや、空っぽの浴槽でくつろぎ始めたのだ。

 人魚の肉を食べて不老不死を自称する"怪しい"母娘と、感性が歪んでいる"変な"主人公のやりとりに笑った。両者をたとえるならファミレスで会席料理を食べている感じ。食べる本人はよいだろうけど、周囲から見れば場違いで、不気味で、奇妙な光景と映るはず。このズレを笑わせる方向に持っていく著者は、独特の感性を持っている。
 エキセントリックな母親、サトさんの性欲処理係である鍋の化け物、屋根裏部屋に棲む透明な住人といった登場人物もおもしろい。文体も平易で読みやすいけれど、読み終わったらドっと疲れが出た。なぜだろう。

【サイト登録日】2010年5月22日 【ジャンル】ユーモア 呪術 まじない 人魚 ミイラ

▽メモ1第12回(2001)日本ホラー小説大賞短編賞受賞作品