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『余は如何にして服部ヒロシとなりしか』文庫表紙(初版)

『余は如何にして服部ヒロシとなりしか』文庫表紙(初版)

浅水瀬

Sensuise,2005

作:あせごのまん

Written by Man Asegono

短編47ページ/『余は如何にして服部ヒロシとなりしか』所収/角川ホラー文庫

How I Became Hiroshi Hattori,2005

どこからともなく現れて怪談を語る男たち
バイク事故で救助を待つ若者の命運は?

 就職未定、腰掛けがわりの大学院進学テストもさんざんだった健一。
 うっぷんを晴らすべく愛車NS400のアクセルを吹かすと家路につく。車を抜き去る爽快感にひたる健一だったが、トラックを避けきれずに転倒する。
 暗闇の中で目覚めた健一。全身に鈍い痛みがあって身動きがとれないが、どうやら生きているようだ。川のせせらぎが聞こえてくるということは、橋から谷底まで転落したのだろう。あとは救助がくるのを待つだけだ。
 ふと人の気配を感じる。1人の男が自分を射るように見つめている。どうやら救助が来るまで自分を見守ってくれる気のようだ。
「おしゃべりでもしなきゃ、間が持たないよな」
 男は、バイクに関する怪談を語り始める。そこに1人、また1人と男が現れ、次々と不吉な怖い話を始める。
 救助隊が来る気配はない。不気味なこいつらはいったい何者なんだ。

余は如何にして服部ヒロシとなりしか』の奇妙なユーモアセンスに吹き出したので、本作も期待して読んだ。
 事故→麻痺→「川のこっち側へきちゃったんだな(p65)」という一連の流れから三途の川を連想する。ここまでで全46ページのうち11ページを費やす。
 残りのページでなにが起こるか。(1)主人公は生死の狭間にいる、(2)死を自覚していない、(3)予想外の展開。もちろん(3)を大いに期待したけれど、残念ながらそこに着地しなかった。ごくごく普通で、しかもちょっと古臭い怪談話。
 著者がなにを狙い、誰に読ませたかったのか。よくわからない。

【サイト登録日】2010年5月24日 【ジャンル】交通事故 死者 三途の川 奪衣婆 懸衣翁 鬼

▽メモ1浅水瀬とは?

 三途の川を渡る場所のこと。浅水瀬は「山水瀬(さんすいらい)」とも呼び、水深は膝上くらい。罪の軽い人が渡る場所らしいです。

▽メモ2三途の川

 〔仏〕人が死んで7日目に渡るという、冥土への途中にある川。川中に三つの瀬があって、緩急を異にし、生前の業(ごう)の如何によって渡る所を異にする。川のほとりに奪衣婆(だつえば)と懸衣翁(けんえおう)との二鬼がいて、死者の衣を奪うという。偽経「十王経」に説く。みつせがわ。渡り川。葬頭川(そうずがわ)。(広辞苑 第六版 (C)2008 株式会社岩波書店)

▽メモ3主人公の乗っているバイクは「NS400R

 2ストローク3気筒エンジン搭載のHondaバイク。
 思い出話で恐縮ですが、管理人は4ストロークの「CBR250F SE」に乗ってました。ローン36回払いはなかなかキツかったです。
 当時はレーサーレプリカ全盛。フルカウル車種(TZR、NSR、Gamma、KRなど)が大半でした。主人公が乗っているNS400Rもそんな1台です。
 何度か乗りましたが、4ストのつもりでつないだら前輪が浮いてビビりました。生まれてはじめてのウィリー体験です。