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『厄落とし』文庫表紙(初版)

『厄落とし』文庫表紙(初版)

厄落とし

Yakuotoshi,2000

作:瀬川ことび

Written by Kotobi Segawa

短編31ページ/『厄落とし』所収/角川ホラー文庫

Yakuotoshi,2000

正月早々親友から押しつけられた厄
湯船の底に広がる黒髪の幻影には意外な効能が…

 33歳独身OL、7年間男っ気なしで今年本厄を迎える鳥山恭子は、新年早々得意先への挨拶回りでへとへとになってワンルームマンションに帰宅した。
 洋服を脱ぎ散らかしたところで郷里の九州に住む神原恵からの電話が鳴る。トリちゃん、めぐちゃんで呼び合う高校時代の親友だ。
 由緒正しき家柄の本家に長女として生まれためぐちゃんいわく「お正月早々墓掘りすることになったんよ」
 分家筋のお墓を移すべく、本家のお墓を掘り起こしたのだという。「これで厄落としになったわん」と話をまとめためぐちゃん。
 厄を押しつけられた恭子は怒るが、もちろん本気で怒っているわけじゃない。
 さて、風呂でも入るか、と湯を張ったバスタブを見て驚いた。バスタブの底に黒い髪の毛が沈んでいる。まるで棺桶の底を見るようだ。これが神原家の厄か!
 しかし、めぐちゃんの厄から思いがけぬ美容効果を受け取った恭子は…。

お葬式』を読み、本作を読んで、お笑い要素以外の共通点が見えてきた。
 女性は肝が据わっており、男性は精神的に未熟だ、と描いてみせる。
 各作品の女性主人公たちは怪異をすんなりと受け入れ、むしろ楽しんでいるような雰囲気さえ漂わせている。
 名を取るより実を取れを実践するかのごとく、本作の主人公も黒髪の厄を恐れる半面、得られる美容の効能を甘受している。味噌汁を飲み下すラストシーンにもしたたかな強さが垣間見える。大ざっぱ、のほうが適当だろうけど。
 これが著者の女性観である、と決めつけるわけじゃないけどね。

【サイト登録日】2010年11月6日 【ジャンル】厄 先祖 墓 幽霊 美容