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『厄落とし』文庫表紙(初版)

『厄落とし』文庫表紙(初版)

テディMYラブ

Teddy My Love,2000

作:瀬川ことび

Written by Kotobi Segawa

短編36ページ/『厄落とし』所収/角川ホラー文庫

Yakuotoshi,2000

動き出す手作りティディベアの怪
愛くるしいぬいぐるみとの頂上決戦が幕を上げる

 家は港であってほしい。仕事で疲れた心身を癒す港だ。だからこそ、妻とは衝突しないように気を配っている。
 子供が授からないせいか、専業主婦の妻は手芸にご執心だ。少し前まではキルトに熱心だったが、最近目を付けたのが手作りティディベアだ。
 購入1年、ローン返済29年のマンションがティディベアで埋まっていく。
 愛らしいと言われているようだが、クマのくせにリボンをつけたり、全身ピンクだったりするところがイライラする。クマは日本最大の陸生動物だろう。人を襲うこともあるし、昔から恐れられてきた野獣だ。リボンをつけるはずがない。
 妻が友人と温泉旅行へ出かけた夜のこと、ティディベアどもが一斉に動き出し、トコトコと歩み寄ってくるではないか。驚きと、怯えと、怒り。
 そうだ。怒りだ。接待ゴルフで鍛えた腕前を思い知るがいい。自慢のチタンクラブを持ち、ティディベアどもに鉄槌を振り下ろすのだ。

 ティディベアがヨチヨチ歩き出したら、すごく怖いかもしれない。自分だったら部屋から逃げ出し、朝まで戻らない。そもそも朝になって部屋に戻る勇気を持てるか、よくわからない。
 ところが本作では、動き出したディティベアをちょこまかと愛くるしい挙動で描き、恐怖感を相殺してる。一方の主人公にゴルフクラブを振り回させ、残忍でどう猛に描いている。このガキっぽい様子が笑いのポイントかな。
厄落とし』でも書いたけれど、「男は幼稚で哀れなり」という著者の特徴が全面に出た作品だ。怖くなく、笑えもしなかったけど。

【サイト登録日】2010年11月8日 【ジャンル】人形 ぬいぐるみ ティディベア