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戦慄の湯けむり旅情
Senritsu no Yukemuri Ryojyo,2000
作:瀬川ことび
Written by Kotobi Segawa
短編36ページ/『厄落とし』所収/角川ホラー文庫
Yakuotoshi,2000
秘湯「冥土温泉」へ向かった4人の女子大生
死してもなお囚われる人生の悲喜劇
同じ女子大に通う幸恵の強引な誘いで、ひろみ、椿、透子たちは、東京から5時間以上をかけて秘湯の冥土温泉郷へとやってきた。温泉郷とは名ばかりで、旅館はただの1軒きり。その名も三途旅館。大きな露天風呂で知られている。
蛍の乱舞が見られる、と仲居から聞きつけた4人は懐中電灯1本を手に山へ入っていくが、足を滑らせた椿が崖下に転落。人の手で尖らせた竹の切っ先に腹を突かれて死亡するのだが、ハミ出た内蔵をグイグイ押し込んで崖を登っていく椿。
露天風呂では透子が何者かに足を引っぱられて溺死するが、全身から湯を滴らせながら部屋に戻ってくる。朝風呂に向かったひろみは足を滑らせて後頭部を打ち付け、頭蓋骨が砕け散る。
3人が死んでいることなど露とも知らない幸恵は「紅葉のシーズンにまた来たいわ」などと言い出す始末。
死んでいるのに生きている3人に向かって女将が言うことには…。
『お葬式』収載の『心地よくざわめくところ』と同工異曲の作品。
主人公を女子大生グループに置き換え、ベタベタワイワイガヤガヤとじゃれ合うさまを描く。漫才の掛け合いのような雰囲気が好きならば笑える作品だろうし、苦手ならばガマンして読むしかない。
そもそも笑う(本当は怖がるだけど)ポイントがわからない。リーダ格で自己中心的な女性と、彼女に付き合わされる子たちの構図なのか。死んだことをひた隠しにする滑稽さなのか。
考えてもわからないし、突き詰める時間もないし。お開きにします。
【サイト登録日】2010年11月9日 【ジャンル】旅行 温泉 ゾンビ 地縛霊 幽霊