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『とくさ』文庫表紙(初版)

『とくさ』文庫表紙(初版)

ナイヤガラ

Niagara,2004

作:福島サトル

Written by Satoru Fukushima

短編27ページ/『とくさ』所収/角川ホラー文庫

Tokusa,2004

少女猫によって暴かれた少年の罪とは?
幻想的な作風で描き出される悪い種子ホラー

 学校の仲間内で一番陽気だった"あいつ"が精神病院に収容されているのは"お前"も知っているだろう。文通してる俺は、"あいつ"が書いた小説を託された。ぜひ、"お前"に読んでもらいたいというのだ。読む・読まないは自由だ。"お前"の手元に渡っただけでも"あいつ"はきっと満足することだろう…。
「幼い私は母に手を引かれ、花火大会でごった返す河原へやってきた。
 河原にある、人気のないツツジ園に1人で入っていく母。私は小便をガマンできずにツツジ園へ忍び込むが、仲睦まじい関係を匂わす母と男性の会話が聞こえ、慌てて出口を目指す。迷路のような道で迷子になった私の手を引く少女。
 少女は話す。私は貴方に飼われていた猫です。貴方が私の目の玉を触るのにガマンできず、家を出たのです。
 少女は語る。私がこれまで犯してきた、許されざる罪の数々。
 私の脳裏に甦る、母と見知らぬ男たちの情事。私は手に包丁を握り締め…」

 最初の数ページを読んで、書き慣れている人だな、という印象を受けた。「冥い道(p7)」「筈のない(p7)」「或る日(p9)」「其の顔(p28)」のようにあえて漢字が当てているのは、時代設定をうやむやにするためか、鏡花や百閧たりの大正・昭和幻想小説の影響だろうか。いずれにせよ文章は達者だ。
 ところがホラー小説としては、すごぶるつまらない。
 幻想味の強い雰囲気、悪い種子(The Bad Seed)の少年主人公。サイコ男の作中小説。これらをどう集束させるのか、興味津々で読んだ先に待ち受けていたのは、病院を脱走したサイコ殺人鬼の独白。ちゃぶ台返しに失敗してるね。

【サイト登録日】2010年12月20日 【ジャンル】妖怪 猫 殺人 少年 悪い種子 バッドシード セックス