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『少女禁区』文庫表紙(初版)

『少女禁区』文庫表紙(初版)

chocolate blood,biscuit hearts.

Chocolate Blood,Biscuit Hearts.,2011

作:伴名 練

Written by Ren Hanna

短編83ページ/『少女禁区』所収/角川ホラー文庫

Shojyo Kinku,2011

亡き父への復讐劇が姉弟の運命を狂わせていく
底なしの欲望と無情を描いたテクノロジーホラー

 触感以外の感覚を共有する技術「サイネット」が普及した世界。
 世界に名だたる大企業、鏑木技研の創業者が死去し、14歳の長女夕乃、12歳の長男相馬は、後継者たる教育に明け暮れる毎日を送っていた。冷徹な父親が与えた恐怖は、死してなお姉弟を悩ませていた。これまでの人生を捨て、新しい生活に羽ばたく。それが姉弟の夢だった。
 専属医師の宮越志鶴に手引きされて、逃げ出すことに成功した姉弟は、生まれて初めて外の世界を謳歌する。そして誓う。力を合わせて大企業を作り上げ、鏑木技研をつぶすことで亡き父に一矢報いるのだ。
 しかし、起業には大金が必要だった。一文無しの姉弟に提供できるもの、それはこれまでの生活をサイネットで有料公開するだった。大富豪の子供たちの日常生活に多くの人々がお金を払う。しかし、視聴者の関心はそう長くは続かない。お金を出し続けさせるには、より過激な経験を見せて行かねばならないのだが…。

 ネットワーク・テクノロジーが進むと人間は2つのものを失う。1つはプライバシーで、もう1つは羞恥心だ。まぁ、ことあるごとに素性を暴いてさらし者にしたり、簡単に「死ね」と書き捨てる昨今だから、すでに失っているかも。
 テクノロジーを介した恐怖という意味ではホラーに属する作品なのだろうけど、結局のところ何を訴えているのかわからない。テクノロジーに心まで穢される恐怖か。鬼の子は鬼という因果譚か。ペドフィリアに対する悪罵か。
 文章にしても「恐れ、畏れ」という字義の違いで心情を語る手法はどうだろう。舌足らず、と誹られても仕方ないと感じた。

【サイト登録日】2011年11月9日 【ジャンル】テクノロジー ネット 姉弟