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少女禁区
Shojyo Kinku,2010
作:伴名 練
Written by Ren Hanna
短編72ページ/『少女禁区』所収/角川ホラー文庫
Shojyo Kinku,2011
苦痛の呪術に秘められた少女の想い
第17回日本ホラー小説大賞短編賞受賞作
施療所に運び込まれた男は、もはや手の施しようがなかった。それでもその年老いた男は穏やかな表情で「逝くならば、夏がよいと心に決めていた」と話す。
かつてこの村には、強大な呪術の才に恵まれた12歳の少女がいました。両親を無残に呪殺したという噂があり、村中から恐れられていました。
天涯孤独となった少女は、代々呪験者の家系にある私の両親に引き取られました。その日から少女のむごい仕打ちが私を襲ったのです。中でも私の髪の毛を仕込んだ人形を針で突かれたときの苦痛は耐え難いものがありました。
釘食(くぎはみ)様に人柱を捧げる年のことです。人柱に選ばれた者の元には双頭の蛇が遣いとしてやってくるはずですが、私の元には訪れませんでした。それでも少女は私を指して「逃げ出した人柱はここにいる」と叫びます。村人たちに捕縛された私は観念するしかありません。神殿に向かった私を追って少女も現れました。彼女には意外な目的があったのです…。
ファンタジックな世界を舞台にしたSM艶笑ホラー。文章が硬すぎてぎこちないものの、ラストまで破綻なくまとめ上げており、好感が持てる。
荒俣宏氏が選評で「私のような老人には甘口すぎるように感じられた」と述べているが、至極ごもっとも。まぁ、「愛の指輪」ではなく「隷従の指輪」かもしれない。両者に確たる違いがあるのかは定かではないけれど。
違和感を感じたのが刊行タイトル。受賞時タイトル『遠呪』のほうがよかった気がする。そもそも『少女禁区』ってなんだろう。若者媚びというか、語感だけで決めましたというか。むろん責任は売り手側にあるのだけど。
【サイト登録日】2011年11月13日 【ジャンル】呪い 呪術 異世界 少女 人形 蛇
▽メモ1第17回(2010)日本ホラー小説大賞短編賞受賞作
▽メモ2受賞時タイトルは『遠呪』
本作を含む受賞3作が改題の上で刊行されました。ホラー小説大賞初の出来事です。
▽メモ3釘食様とは?
村が祀っている蛇神。抜け殻の大きさが「15人の男らが押す車の上に横たわる(P113)」とあるので、とてつもなく巨大なようです。
この蛇神の印は「人」。少女が母親から聞いた話として「人は尾を立てた双頭の蛇を表すもので、片方の頭はこちらの世界、もう片方の頭は別の世界へつながっている(P124〜P126)」と述べています。







