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『ブルキナ・ファソの夜』文庫表紙(初版)

『ブルキナ・ファソの夜』文庫表紙(初版)

ブルキナ・ファソの夜

A Night in Burkina Faso,1996

作:櫻沢 順

Written by Jun Sakurazawa

短編83ページ/『ブルキナ・ファソの夜』所収/角川ホラー文庫

A Night in Burkina Faso,2002

奇跡の地に降り立った男の不思議な体験
第3回日本ホラー小説大賞佳作作品

 砂金の砂浜、人魚肉の晩餐会、氷原の教会で眠るキリストとの対面…。にわかには信じがたいツアーを催行している、"Q"という旅行会社があるらしい。
 業界最大手の旅行会社に勤務する僕は、SIT(Special Interest Tour)企画課長に抜擢される。Qに負けないツアーを企画せよ、との社命を帯び、世界中の支社から集めた珍奇なツアーの真贋をたしかめるべく飛び回っていた。
 長寿の秘薬を持つ老人の真偽をたしかめるように命じられた僕は、アフリカに渡り、ナイロビからバマコへの国内便に乗り込むが、目が覚めるとまったく知らない空港に着陸していた。
 ブルキナ・ファソ。燃料補給のために立ち寄ったという砂漠の小国だという。
 空港内を散策した僕は「ラ・クレバス・デ・ラ・テール(地球の裂け目)」と呼ばれる岩穴の存在を知る。時間と空間を超越する場所であり、土産物屋には数々の証拠品が並んでいた。奇跡のツアーを見つけ出した僕は歓喜するのだが…。

 ストーリー、構成、人物ともに過不足なく描かれており、旅行業界の非情な内幕などもたいへん興味深い。筆運びもよどみなく、書き慣れている印象。
 砂漠にそびえる塔の描写などからは人類以前の種族、いわばクトゥルー神話群のようなワクワク感を覚えた。
 しかし、短編としては冗長すぎる。アフリカの航空事情(国際便偏重で、国内便が少ない)を示すのに7行も費やすのはどうだろう。一方で長編としては構想のふくらみに欠ける。どっちつかずの中途半端さが惜しい。

【サイト登録日】2012年1月20日 【ジャンル】旅行 幻想 神秘 時間 虫 悪食

▽メモ1第3回(1996)日本ホラー小説大賞佳作

加筆・修正の上で刊行。

▽メモ2ブルキナファソは実在の国。外務省: ブルキナファソ