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『ブルキナ・ファソの夜』文庫表紙(初版)

『ブルキナ・ファソの夜』文庫表紙(初版)

ストーリー・バー

Story Bar,1996

作:櫻沢 順

Written by Jun Sakurazawa

短編88ページ/『ブルキナ・ファソの夜』所収/角川ホラー文庫

A Night in Burkina Faso,2002

朗読に誘わるまま踏み込んだ夢幻の世界
不思議の物語に潜んでいた驚くべき真実とは?

 英国大使館裏手の雑居ビルにある店、ストーリー・バー。売り物は物語。ストーリー・テラーなる語り部が客の趣向に応じて朗読を行うのだ。
 一見の客は入店すらできないストーリー・バーだが、常連客にも守るべきルールがあった。テラーの顔を見たり、私語を交わしてはならない。店内を勝手に散策することも許されていなかった。
 店に通い始めて1年経つ僕にも、ユリエというなじみの女性テラーがいる。アフリカの怖い物語「サファリの顛末」を語り聴かせてもらった後、初めてユリエから話しかけてきた。行方不明のアダチについて話したいことがあるという。
 アダチはこの店を紹介してくれた僕の友人だ。彼に何があったのか、どこにいるのか。ぜひとも知りたい。
 アダチから聴いたという話を語り始めるユリエ。その驚嘆すべき物語は、僕自身の存在をも揺るがせていくのだった。

 英国のことわざ「好奇心は猫をも殺す」を幻想風に仕立てた作品で、乱歩が言うところの「奇妙な味」に属するのだろう。
 夢幻と現実があやふやになったとき、体験者にとっての真実とは何か? 正答のない問いかけが本作の怖さの柱となっている。
ブルキナ・ファソの夜』でも感じたけれど、情景描写がたいへんお上手。迷宮のような宮殿や、クリスタルの部屋の風景がふわりと頭に浮かんでくる。この文才をうらやましく思う。

【サイト登録日】2012年1月28日 【ジャンル】旅行 幻想 物語 処刑 夢幻