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『今昔奇怪録』文庫本表紙(初版)

『今昔奇怪録』文庫本表紙(初版)

きも

Kimo,2009

作:朱雀門 出

Written by Idzuru Suzakumon

短編46ページ/『今昔奇怪録』所収/角川ホラー文庫

Konjyakukikairoku,2009

学生たちの命を奪う呪われたシャーレ
禁断の味に取り憑かれた亡霊が起こす祟り

 卒業研究の細胞培養操作に勤しむ大学四年生の奎一は、インキュベータ(培養機)に「Yamaki HepG2」と書かれたシャレーがあることに気がつく。研究室にはYamakiなる人物はいない。いったい誰のものなのだろう?
 指導教員の富田に問いただすと「たちの悪いいたずらだ」と言いつつもひどく狼狽した様子を見せる。修士一年で先輩にあたる角田は独断でシャーレを処分するが、翌日アパートで死体となって発見される。心不全だという。
 誰にも見とがめられることもなく忽然と出現するシャーレ。いたずら犯を探ろうとした女子学生の岸村も遺体となって見つかる。
 研究室の古株である株島いわく、山木は数年前に自殺した院生だという。亡霊となった山木が実験を続けており、邪魔者たちを祟っているとでもいうのか。
 研究室の学生たちがシャーレの中身を分析してみると、それは人間の肝細胞であった。死した山木がいまなお肝細胞を欲しているのはなぜだ?

 バイオホラーは苦手だけど、収録5編では一番おもしろかった。最先端科学とオカルトという相容れないものが、ホラーらしい仕掛けによって共存している。短いページ数ながらも破綻無くまとまっている。
 一方でわけのわからぬ専門用語の羅列に頭が痛くなる。とくにp160〜p161にあるDNAの可視化うんぬんのくだりにはうんざり。電子泳動像というグラフみたいな図版を掲載して優しく解説しようと努める著者の熱意はわかる。けれど残念ながら管理人の頭の程度ではとてつもなく難解だった。

【サイト登録日】2012年4月14日 【ジャンル】科学 DNA 亡霊 ゴースト 人食い