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1999年第6回

おもな出来事 1999

■1月ハッピーマンデー制度施行

■1月携帯電話11桁化

■1月ジャイアント馬場死去(レスラー/享年60)

■4月コロンバイン高校銃乱射事件

■7月ノストラダムスの大予言外れる

■6月ロボット犬『AIBO』日本発売

■8月国旗国歌法成立

■9月池袋通り魔殺人事件

荒俣宏氏 選評(要約)

「すごい」ものを書くことが、かならずしも「おもしろい」ものにはならない。

ぼっけえ、きょうてえ
 決して目新しい題材ではない。汚れてグロテスクな話がむしろ「厳粛な聖性」に感じられてくるあたりのスリルは、永井荷風の掌編すら思いださせた。一つだけ留保したい点は、ホラー小説に対する、あまりにも常識的な義理立てである。とくに結末のホラーは、遊女の厚化粧に類した過剰サービスに思えた。

お葬式』『スイート・リトル・ベイビー
 個人的には、気に入った。しかし、一芸入学のようなものである。

高橋克彦氏 選評(要約)

四千枚の作品をも凌ぐ短編が本当に出現した。

ぼっけえ、きょうてえ
 一行目からすでに圧倒された。まさに正統的な怪談で、この小説の出現こそホラー大賞が待ち望んでいた、と書いても大袈裟にはならない。私がこれまでに読んだ古今東西の怪談の中でも間違いなく上位に位置する。怪談小説はこの作品から新たな道に踏み込んでいく。それは確かだ。

林真理子氏 選評(要約)

ホラー小説だから何をしてもいい、どんな残虐なことをしても許される、というのは大きな間違いだ。恐怖を通して、人間の深いところに触れていくのがホラー小説である。

ぼっけえ、きょうてえ
 驚いた。科学ホラー全般の今日にあって、原点というべき場所に戻り、そしれそれをさらに進化させているからである。言葉の切れ目にまで細心の注意がはらわれている。

スイート・リトル・ベイビー
 いっきに読ませる力量に感心した。唯、救いのない暗さがどうにもやりきれない。小説は別に道徳を説く必要もないし、強姦ということも、ストーリー展開のひとつとしてあるのかもしれない。けれども女性としてどうにもやりきれない書き方である。

お葬式
 全体に漂うユーモアはかなり上質のものだ。短編というと抒情的なものが多いのであるが、乾いた作品は新鮮である。

第6回日本ホラー小説大賞受賞作

大賞

「ぼっけぇ、きょうてぇ」初刊表紙

ホラー小説大賞史上もっとも怖い話

ぼっけえ、きょうてえ

受賞者:岩井志麻子

長編賞

該当作なし

佳作

「スイート・リトル・ベイビー」初刊表紙

スイート・リトル・ベイビー

受賞者:牧野修

短編賞

該当作なし

佳作

「お葬式」初刊表紙

お葬式

受賞者:瀬川ことび

 今回は2つの特徴を見いだすことができます。
 1つは、短編が大賞受賞を果たしたこと。栄誉に輝いた「ぼっけぇ、きょうてぇ」は、これまでの受賞作中、類をみない怖さを備えていると感じます。今後100年経っても古典ホラーとして読み継がれていくのではないでしょうか。
 もう1つはユーモアあふれる作品「お葬式」が佳作入選したことです。著者はライトノベル作家として8年のキャリアがありました(瀬川貴次名義)。
 第6回以降、怖いばかりなく、愉しい作品が数多く受賞していくことになります。
 こうしたことを踏まえると、ホラー小説大賞のターニングポイントになった回といえるでしょう。