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2001年第8回

おもな出来事 2001

■1月新世紀の幕開け

■1月第43代合衆国大統領にG・W・ブッシュ就任

■3月『OS X v10.0 Cheetah』日本発売

■9月アメリカ同時多発テロ事件

■10月アフガニスタン紛争勃発(アメリカの侵攻)

■10月『iPod』日本発売

■10月『Windows XP』日本発売

■12月巨大企業エンロン破綻(アメリカ)

荒俣宏氏 選評(要約)

今回の候補作を一括して評するなら「原石」というに尽きる。原石は、いうまでもなく磨き上げなければいけない。長編最終候補4作はすべてB枠の出来。

ジュリエット
 愛犬の蘇生と地下に残る根はホラーたり得るが、本質からいうと力のある「島文学」である。こだわりの作家だ。ただ、この人も材料を用意しすぎたきらいがある。用いる材料同士の相性やつながりにもっと力を尽くすべきだ。

夏の滴
 瑞々しい少年小説として上出来で、候補作中いちばん気に入ったが、ホラーの質が悪く、かつ低い。ギャグとも真面目ともつかない描写が気になるのだ。

古川
「癒しのホラー」だと思う。欲をいえば、恐怖場面の筆力にいっそうの補強を。

高橋克彦氏 選評(要約)

大賞、長編賞、短編賞とすべて揃った大収穫の年。どうして一年置きにこうなるのか選考している我々にもよく分からない。

ジュリエット
 冗長であり、どうしても心理描写がしつこくなりがち。筋が読めないうちは、いったい何を描こうとしているのか苛立ちがつのる。後半の展開には圧倒された。ひょっとするとこの作者は大化けして日本のホラー史を書き換える傑作を書く才能を秘めている。

夏の滴
 入れ子になっている時代モノがあまりにも退屈だった。説明の域を出ていない。リズムを壊している。文体が古すぎる。

林真理子氏 選評(要約)

個性と端整、ホラーの魅力はこの二つのものに尽きると思う。

ジュリエット
 今回著しい進歩を見せてくださった。骨組みのしっかりしていることでは群を抜いている。ホラーとしてはいくつかの欠陥があるものの、最後まで読ませるのは、この文章力によるものである。

夏の滴
 奇妙に私の心をとらえた。子どもたちがいきいきと描かれている。

古川
 きりりとした作品。しかし途中から語る者の視点が変わってしまうあたりは、いかにも残念。まだプロになっていない人が犯しやすいミスである。

第8回日本ホラー小説大賞受賞作

大賞

「ジュリエット」初刊表紙

南国のジャングルを舞台にした幽霊物語

ジュリエット

受賞者:伊島りすと

長編賞

「夏の滴」初刊表紙

残酷な夏のできごとに翻弄される子供たち

夏の滴

受賞者:桐生祐狩

短編賞

「古川」初刊表紙

昭和の匂いが立ちのぼる大阪下町怪異譚

古川

受賞者:吉永達彦

 今回は3賞で受賞作が生まれました。
 受賞3作はキーパーソンとなる人物が子供、という共通点があります。
 現時点(2010年1月)で執筆を継続している受賞者は桐生祐狩さんだけです。受賞以前は演劇畑で戯曲を書いていたという経歴の持ち主。伊島りすとさん、吉永達彦さんはともに筆を擱いているようです。
 その意味では、三賞そろい踏みながらちょっと残念な結果、というのが第8回の感想です。