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2005年第12回

おもな出来事 2005

■4月ローマ教皇ヨハネ・パウロ2世逝去(享年84)

■4月『OS X 10.4 Tiger』日本発売

■4月最後の長岡瞽女、小林ハル死去(享年106)

■7月ロンドン同時爆破テロ事件発生

■8月ハリケーン「カトリーナ」の被害甚大

■10月フランス全土で暴動発生

■11月ディープインパクトが史上2頭目の無敗三冠馬

■12月『XBOX360』日本発売

荒俣宏氏 選評(要約)

今回はほとんど再考の余地なく大賞に推す作品がきまった。

夜市
 南方熊楠が関心を寄せていた、民俗学でいう「黙市」にまつわるはなしで、異世界同士のこわい交流を連想させた。しかし、この作品はさらにその先を描いた点で画期的だった。悲しみをたたえたストーリーに、わたしはめずらしく泣いた。ひとつだけ、夜市に行けなく条件が説得力にかけると考えたので、作者に注文をつけさせて頂いたが、他は文句なく、ヴィジュアル喚起力を秘めた、ひさびさの傑作である。

チューイングボーン
 こわい。しかし、カメラを向けると事故がおきるというパターンが何度も同じ調子では、飽きる。進展につれて、事件の意味や見方がすこしずつ変化するような工夫がほしかった。

余は如何にして服部ヒロシとなりしか
 異様に気に入った。わたしはこの作品を短編賞に強く推させてもらった。

高橋克彦氏 選評(要約)

しばし愕然となった。たとえ百人の物書きが居たとしても、後半のこんな展開は絶対に思い付かないだろう。

夜市
 襟を正すとはこのことで、気合いを入れて読まないと著者の企みを見落としそうになる。描写力の甘さはある。しかしそんな欠点は、この作品に限って些細なことだ。確実にこの著者は比類ない「発想の転換」の才能の持ち主だ。

林真理子氏 選評(要約)

このところ長編からの受賞がない。ホラー小説の場合、短編の方が、最後まで破綻なく書けるということが大きいのだろうか。

夜市
 その完成度に舌を巻いた。無駄のない文章、抒情的ではあるが、余分なセンチメンタリズムに陥らない知的な文章である。それにもまして構成が見事だ。思いもかけないオチをつけることにより、エンターテインメントの作品としても成功している。文句なしの大賞受賞である。

チューイングボーン
 これを純文学系の新人賞に応募しても、かなり高い評価を得られるに違いない。文章によって、これだけの緊張感を持たせられるのはたいしたものだ。まごうかたなき才能の持ち主である。

余は如何にして服部ヒロシとなりしか
 この馬鹿馬鹿しい面白さは作者のセンスがよくなければ書けないものだ。大切にしてほしい。

第12回日本ホラー小説大賞受賞作

大賞

「夜市」初刊表紙

人間と妖怪が交わる「夜市」のできごと

夜市

受賞者:恒川光太郎

長編賞

「チューイングボーン」初刊表紙

自殺者の撮影に没頭していく男が抱く心の闇

チューイングボーン

受賞者:大山尚利

短編賞

「余は如何にして服部ヒロシとなりしか」初刊表紙

シュールな笑いの陰にある薄気味の悪さ

余は如何にして服部ヒロシとなりしか

受賞者:あせごのまん

 第10回以来の三賞受賞が決まりました。
 目玉は大賞受賞作『夜市』でしょう。ホラーを読まない層にまで広く支持されているようです。出版化にあたり、書き下ろされた短編『風の古道』もたいへんおもしろく、並々ならぬ才能を魅せてくれます。
『チューングボーン』は圧倒的な筆力で心の闇に切り込む意欲作。
『余は如何にして服部ヒロシとなりしか』はユーモアの中にも不気味な味わいを練り込んでいますが、好き嫌いがはっきりと分かれそうな作風です。