全作品リスト

書名:短編集

書名:長編

書名:掌編集/実話怪談

書名:ホラー関連書

作家リスト

シリーズリスト

特集ページ

サイトトップへ戻る

本サイトについて

更新履歴

累計:

今日:

昨日:

2006年第13回

おもな出来事 2006

■2月トリノ冬季オリンピック開幕(イタリア)

■2月世界人口65億人突破

■3月第1回ワールド・ベースボール・クラシック

■6月第18回FIFAワールドカップ・ドイツ大会

■8月冥王星が惑星から除外されて準惑星へ

■9月ドイツのリニアモーターカー実験中に大事故

■11月『プレイステーション3』発売

■12月フセイン元イラク大統領の死刑執行

荒俣宏氏 選評(要約)

 残念ながら、傑出した作品がなかった。これが今回の率直な感想だ。

紗央里ちゃんの家
 長編賞ではいちばん気に入った。出だしは幼いが、読み進むにつれ、奇っ怪な細部が浮かび上がってくる。他の作品が正常な視点から異常を描くなか、この作品だけが、異常な視点から異常を描いていた。ヘンリー・ジェイムズの『ねじの回転』で使用した曖昧法をポップに活用した感がある、もし、作者がホラー小説の歴史を知らずに書いているのだとしたら(その可能性は高い)、おもしろい才能である。

サンマイ崩れ
「異常なるがゆえの滑稽さ」を表現できていておもしろかったが、着地があまりに平凡だったのが惜しい。

高橋克彦氏 選評(要約)

 楽しみな才能の出現ではある。次にどんな世界を創造するか期待がつのる。

紗央里ちゃんの家
 名作と評価できる。ただし随所に食い足りない点がある。少年の目線で終始したための食い足りなさだ。斬新さには驚きを覚えたが以前の大賞受賞作に比較すると緩みが多い。限りなく大賞に接近した長編賞というのが私の判断である。

サンマイ崩れ
 オーソドックスな作りで「隙」がない。怪奇の語り部として安心できる力を持っている。読後感のいいのもこの作者の強みとなるだろう。

林真理子氏 選評(要約)

 1年おきのジンクスどおり、今年は大賞が出ず、まことに残念であった。大賞と部門賞との差はあまりに大きい。

紗央里ちゃんの家
 不気味な小説である。途中やや冗長なところがあり、興をそがれたが、やはりこの不気味さはただごとではない。

サンマイ崩れ
 文体が素晴らしい。淡々とした文章が続き、ことさら怖いことが起こるわけではないのに、次第にこちらの不安が高まっていくのである。

第13回日本ホラー小説大賞受賞作

大賞

該当作なし

長編賞

「紗央里ちゃんの家」初刊表紙

異常で、奇妙で、摩訶不思議な問題作

紗央里ちゃんの家

受賞者:矢部 嵩

短編賞

「サンマイ崩れ」初刊表紙

狂気に宿るユーモアと恐怖の物語

サンマイ崩れ

受賞者:吉岡 暁(「平松次郎」改名)

 大賞が誕生しなかった第13回ですが、最大の話題は長編賞作品でしょう。端的にいってしまえば「受賞に値する作品なのか?」ということです。
 時間をさかのぼり、透明人間になれるなら、このときの審査の模様を潜入レポートしたいです。
 一方の『サンマイ崩れ』は、歴代短編賞受賞作の中でも上位に入るできばえではないかと感じます。
 理由はさておき、次作が楽しみは2名の受賞者に祝福を贈ります。