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『隣の家の少女』表紙(初版)

『隣の家の少女』表紙(初版)

『隣の家の少女』帯-表面(初版)

『隣の家の少女』帯-表面(初版)

『隣の家の少女』原書(WARNER BOOKS版/1989)初版表紙

『隣の家の少女』原書(WARNER BOOKS版/1989)初版表紙

隣の家の少女

The Girl Next Door,1989

作:ジャック・ケッチャム(金子 浩訳)

Written by Jack Ketchum

長編

扶桑社(扶桑社ミステリー文庫)/本体686円+税

単行本初版:−

新書本初版:−

文庫本初版:1998年7月30日/総434ページ(42w×18L)

隣の家にやってきた美しき姉妹を襲う虐待の数々
心がざわつくドメスティックバイオレンス・ホラー

 ウォール街の証券マンとして成功している41歳の私だが、心は苦痛にさいなまれ続けていた。あの夏の出来事のせいで…。
 1958年。12歳の夏。隣に住むチャンドラー家に美しいロクリン姉妹がやってきた。14歳の姉メグと9歳の妹スーザンは交通事故で両親を失い、遠縁のルース・チャンドラーに引き取られたのだった。
 母子家庭の家長であり、3人の息子を育てるルースは言う。女は呪われた穴を持った生まれつきの負け犬だ。
 地下室のお手製核シェルターに幽閉されたメグは、ルースと息子たちから肉体的、精神的な虐待を受ける。それは拷問ともいうべき過酷な責め苦だった。
 私は虐待行為に手を貸さなかったが、助けだそうともしなかった。力ある側に立っている優越感、メグの裸体に触りたいという劣情、この事態が行き着く先を見極めたいとさえ思った。そう、私も同罪なのだ。
 その一方で私は良心の声に従い、メグを逃がす計画を実行するのだが…。

 10年ほど前に読んだときは、陰惨な虐待シーンの数々に肝を冷やした。その衝撃は健在だったけど、今回の再読では鬼畜女ルースにわずかな同情と理解を覚えた。自分が失ってきたもの、これから失うであろうものを持っているメグに対しての嫉妬、欲求、喪失、無力、そして自己憐憫。ルースの負の感情は万人が抱えている心の闇とまったく同じものであろう、と思う。
 子供たちの際限ない残忍さも含め、愚直なまでの利己主義をリアルかつ毒々しく描いてみせたケッチャムの巧さには舌を巻いた。誰彼にお勧めできる作品ではないが、暴力的ポルノグラフィで片付けるにはもったいない出来映えだ。

【サイト登録日】2013年6月21日 【ジャンル】虐待 拷問 トーチャー 美少女 サイコ