全作品リスト

書名:短編集

書名:長編

書名:掌編集/実話怪談

書名:ホラー関連書

作家リスト

シリーズリスト

特集ページ

サイトトップへ戻る

本サイトについて

更新履歴

累計:

今日:

昨日:

『ロード・キル』表紙(初版)

『ロード・キル』表紙(初版)

『ロード・キル』原書(Headline Publishing版/1994)初版表紙

『ロード・キル』原書(Headline Publishing版/1994)初版表紙

ロード・キル

Road Kill,1994

作:ジャック・ケッチャム(有沢善樹訳)

Written by Jack Ketchum

長編

扶桑社(扶桑社ミステリー文庫)/本体544円+税

単行本初版:−

新書本初版:−

文庫本初版:1996年6月30日/総329ページ(38w×17L)

暴力的な元夫を事故に見せかけて屠った妻と恋人
その殺害現場を目撃した快楽殺人者の要求とは?

 不動産業で成功したハワードは、一方で美しい妻キャロルを虐待する異常性癖の持ち主だった。離婚後もしつこくつきまとうハワードの暴力に耐えかねたキャロルは、恋人リーの助けを借りて、山中におびき出した彼を撲殺する。
 その様子をたまたま目撃したバーテンダーのウェインは魅了される。殺人衝動を宿す彼はキャロルとリーの家に忍び込み、自分たちが同類であることを説き、これから自分が犯す殺人の生き証人になることを命じる。夕闇が迫るハイウェイに3人を乗せた赤いボルボが飛び出していく。殺人ドライブのはじまりだった。
 かねてよりキャロルから相談を受け、深く同情していたルール警部補は、ハワード失踪の報を受けて悩む。そんな折、ハイウェイで女性の射殺体が発見される。目撃された赤い車には3人の男女が乗っていたという。
 道すがら罪もない人々を手にかけていくウェイン。脱出の機会を図るキャロルとリー。それを追うルール警部補。事態は最悪の方向へ進んでいた。

 やにわに降りかかる不条理な不幸。その様子を残酷な正直さで描くのがケッチャムの持ち味だけど、一方で最悪の事態を正す人物を配している。本作ではルール警部補がその任をまっとうしている。この点に気がつけば、ケッチャムの根っこにあるのが勧善懲悪であることはわかるはずだ。とくに本作では色濃く出ているので、ケッチャム入門書としてホラー嫌いにもオススメできる。
 本国アメリカではバイオレンス・ポルノと忌避されているケッチャム作品だけれど、その裏には保守的で、論理的で、非常識と同じだけの良識が備わっている、なんてケッチャム擁護論をぶってみたけど、我ながら弱々しいなぁ。

【サイト登録日】2013年7月6日 【ジャンル】サイコパス 殺人鬼 巻き添え

▽メモ1元ネタはゾラ?

 着想のきっかけとなったのは、エミール・ゾラ(1840-1902)の長編『獣人』かもしれません。というのもケッチャムが『老人と犬』の作中、登場人物に『獣人』のあらすじを語らせ、その内容は本作と通じるところがあるからです。

▽メモ2登場人物の末路(登場順)

ハワード・ガードナ……キャロルの元夫。山の中でキャロルとリーに撲殺され、遺体は川に流される。

ディーナ・モリス……弁護士事務所のタイピスト。車で帰宅途中、ウェインに射撃されて1発目は肩から胸に抜け、2発目が背中から脊髄を貫通。

トミー・ブラウン……コミックブック好きな青年。歩いてたところをウェインに車内から発砲され、弾丸が右目から侵入して後頭部へ突き抜ける。

ベン・スティルマン……大学生。大きなペンチで頭を数度殴られて死亡。

リン……大学生でベンの恋人。ウェインにレイプされ、針金で首を絞められて失神。死んだと勘違いしたウェインが立ち去ったために生還する。

名なしドライバー1……マツダを運転していたドライバー。ウェインのボルボを追い抜かしたところをマグナムで撃たれる。

レプカ……ハイウェイパトロール警官。ボルボを尾行していたが、運転手を失って迷走したマツダに激突。大破したパトカーが火を噴いて焼死。

トリート……ウェインの家を張り込んでいた刑事。額を撃ち抜かれる。

バークマン……トリートと共に張り込んでいた刑事。ナイフで喉を刺される。

リー・エドワーズ……キャロルの恋人でハワード殺害の共犯者。ウェイン宅の居間で飛びかかったが、3発の銃弾を胸に浴びる。

オールドミス姉妹の姉……ウェインの近所の住人。ゴミ出ししていたときに胸を撃ち抜かれる。

クロッカー家双子の少年……額を撃ち抜かれる。双子の片割れ(少女)は難を逃れた。

クロッカー家妻……至近距離から腹を撃たれる。

クロッカー家主人……両足と胸を撃たれる。

オールドミス姉妹の妹……姉を介抱しているところを背後から一発。頭部にも一発浴びる。

マードック家の兄弟(弟)……クローゼットの扉越しに撃たれ、とどめの一発も食らう。兄は逃げ出して無事。

レイ・マードック……窓から逃げだそうとしたところを背後から撃たれる。

レイの妻……警察に通報していたときに顔面を射撃される。

名なしドライバー2……たまたま通りかかった(または逃げ出した?)ところをウェインに撃たれる。性別不明。

スコール……愛想の良い郵便局員。ウェインの殺害手帳には載っていなかったが、抵抗されたために右足とこめかみを撃たれる。

スコールの妻……喉と心臓を撃ち抜かれる。

ルール警部補……キャロルをかばい、ウェインの弾丸が腕と背中を貫通するも生還する。

キャロル・ガードナー……大けがを負うも無事。

ウェイン・ロック……警官隊に蜂の巣にされ、最後はルール警部補が放った銃弾に心臓を撃ち抜かれて死亡。