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『[新版]怪奇小説傑作集1』文庫表紙

『[新版]怪奇小説傑作集1』文庫表紙

エドマンド・オーム卿

Sir Edmund Orme,1891

作:ヘンリー・ジェイムズ(平井呈一訳)

Written by Henry James

短編58ページ/『怪奇小説傑作集1[新版]』所収/創元推理文庫

The Great Stories of Horror and The Supernatural,1969

美しい母娘の近辺に出没する謎の紳士
限られた人だけが目撃するというのだが……

 のどかな郊外の村ブライトンにて、美貌の母娘マーデン夫人とシャーロットの知己を得た私。ある日、夫人から「私、一生罰を受けておりますのよ」と謎めいた告白を聞かされる。
 多くは語らぬ夫人に気をもむ私だが、礼拝堂でシャーロットの隣に若い紳士が席に着き、気が付くと消えているのを不思議に思う。マーデン夫人が近寄ってくると、ひっそりと告げる。「あなただけが見ているのよ」。
 それ以降、私はたびたび紳士を目にすることになる。彼の名はエドマンド・オーム卿。なにかの因果を含んだ幽霊らしい。
 見かける機会が多くなるほど、オーム卿に奇妙な親近感を抱きはじめた私だったが、ついに夫人からオーム卿との関係が語られる。
 夫人とオーム卿の因果を知った私だったが、シャーロットへの想いは断ちがたく、一度はうとんじられた愛の告白を再び問う機会に恵まれたのだが……。

 古典ホラーおなじみの"誰それの手記"として語られる、"静謐な想い"を描く幽霊話。幽霊であるオーム卿に悪意があるのか、はっきりと語られていない。根の深い怨嗟か、はたまた恋の未練か(恋慕ってやつかな)。
 描写を抑え、読者の想像力と判断にゆだねる手法を好んで使ったヘンリー・ジェイムズ。たしかに想像力は刺激されるけど、もどかしさも覚えた。映像的描写と短いセンテンスで読ませる"モダンホラー"に慣れちゃってるからね〜、と油断してたらバルコニーの暗闇で青白い顔がぼんやり見える描写(p136)にゾゾっ。不意打ち食らった感じ。

【サイト登録日】2007年10月8日 【ジャンル】幽霊・心霊