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『[新版]怪奇小説傑作集1』文庫表紙

『[新版]怪奇小説傑作集1』文庫表紙

猿の手

The Monkey's Paw,1906

作:W・W・ジェイコブス(平井呈一訳)

Written by William Wymark Jacobs

短編24ページ/『怪奇小説傑作集1[新版]』所収/創元推理文庫

The Great Stories of Horror and The Supernatural,1969

3つの願いを叶える呪物"猿の手"
願いを叶えた老夫妻に襲いかかる悲劇

 慎ましく暮らす老夫婦と一人息子の元を訪ねてきたのは、21年ぶりの帰郷となる知人のモーリス曹長。
 歓談のさなか、インドで手に入れたという"猿の手"なる道具の話題になる。インドの呪術師が用いていたといわれる呪物で、右手に高く掲げ、願いごとを言えば叶うという。モーリス曹長が止めるも聞かず、面白半分に「200ポンド欲しい」と祈願したホワイト氏。
 ブルっと震える"猿の手"。気のせいに違いあるまい。
 翌日、愛息のハーバートが職場で事故死したと報が届き、見舞金として200ポンドを受け取る夫妻。
 悲嘆にくれる一週間が過ぎ、ホワイト夫人の想いは"猿の手"に至る。
 そうだ、息子を甦らせよう。
 その夜、玄関をノックする音が響き渡る。

 ホラーアンソロジーに欠かせない古典ホラー。扉を叩く音、外にいるモノ、妻の狂気、「あれを中に入れないでくれ」と懇願する夫の慄き、静寂、そして悲しみ。何度読んでもゾクゾクしてしまう。
 見返りを求める"猿の手"ゆえ、ホワイト氏はどんな代償を支払ったのだろう。苦悶に満ちた死かな。もっとも悲しみで奥さんの心はズタズタだから支払い済みと言えなくもないか。
 イギリス古典ホラーの多くは、怪異の根源をインドに求めている。ものすごく妖しい国だと思ってるみたい。東インド会社がらみかな。

【サイト登録日】2007年10月7日 【ジャンル】呪い