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『[新版]怪奇小説傑作集1』文庫表紙

『[新版]怪奇小説傑作集1』文庫表紙

パンの大神

The Great God Pan,1894

作:アーサー・マッケン(平井呈一訳)

Written by Arthur Machen

短編97ページ/『怪奇小説傑作集1[新版]』所収/創元推理文庫

The Great Stories of Horror and The Supernatural,1969

狂気の実験で開かれた不可知世界への扉
パンの大神と魔宴を繰り広げる妖女の正体とは

 脳の一部に施術することで未知の、彼岸の世界を覗きこむ能力が発現する。
「大昔の人は、それを『パンの大神』を見ると言っておったさ」。己の発見を実証すべくドクター・レイモンドは養女メリーへの脳手術を行う。立ち会うことになったクラークは、麻酔から目覚めたメリーがなにかを見、なにかに触ろうと手を伸ばし、続いて恐怖に打ちのめされて発狂する様を目撃するのだった。
 時は流れ、ロンドンの社交界。享楽に耽る著名な紳士たちが相次いで首を括って自殺を遂げる。"ウェスト・エンドの怪事件"と世間を騒がせるものの、殺人を匂わす証拠は一切ない。
 好奇心旺盛な青年ヴィリヤスは、自殺した紳士がミセス・ボーモントなる謎の女富豪と交流のあったことを知る。
 彼女は何者で、どこから来たのか。自殺に関係があるのだろうか。ヴィリヤスは、常識的な実業家として名の通るクラークに相談を持ちかけるのだが…。

 生まれながらの魔女が「奉仕と引き換えに魂を堕落させる」。描写はないけどセックスがらみ。「魔女に限らず女性は怖い」って暗喩かな。
 一世紀以上前の作品にしては文章は平易、展開も早い。語り部が変わったり、手紙や手記の引用など、そのつど流れが途切れる印象もある。脳手術も一瞬で済み、覚醒に5分。早っ。そこにテーマがないんだろうけど、ねぇ。
 肝心の"パンの大神"は間接的に登場するのみ。森の中で目撃した少年いわく「へんな裸の男の人」(P212)であり、古代ローマの牧神の石像を見て「森の人だ!」(P214)と卒倒。よほどインパクトのある容姿をしているようだ。

【サイト登録日】2007年12月20日 【ジャンル】悪魔・魔女・異世界

▽メモ1パンの大神の別名?

「牧神」「森の神」とも表されることがある。

▽メモ2自虐的なホラー小説批判発言(p246)

「売りものの怪談くらい、およそ常識的で退屈なものはないからな」