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『[新版]怪奇小説傑作集1』文庫表紙

『[新版]怪奇小説傑作集1』文庫表紙

いも虫

Caterpillars,1912

作:E・F・ベンスン(平井呈一訳)

Written by Edward Frederic Benson

短編17ページ/『怪奇小説傑作集1[新版]』所収/創元推理文庫

The Great Stories of Horror and The Supernatural,1969

燐光を発する化け物いも虫の大群
風光明媚な別荘に巣食う死病の恐怖

 イタリアの新聞にて別荘取り壊しの記事を目にした僕。その別荘で体験した、世にも恐ろしい出来事がいまだ心から離れることはない。
 5月のある日、スタンリー夫妻の招きでカスカナ荘へやってきた僕は、妙に悪い予感を覚え、なかなか寝付けなかった。ふと空き部屋を覗きこむと、ベッドの上で数千匹の巨大ないも虫がのたくっている光景を目にする。
 恐怖のあまり、部屋にとって返した僕は、夢とも現実ともつかぬ夜が過ごすが、朝日の訪れとともに恐怖の気持ちは霧散する。
 朝食の席。カスカナ荘に逗留する画家アーサー・イグリスは、いも虫を入れた小箱を手に「いや、飼ってやろうと思ってね。蟹の鋏のような妙な足を持ってるな。『カンセル・イングリセンシス』と命名してやろう」。
 その夜、再びいも虫の大群を目撃した僕。いも虫はイグリスの部屋へと入っていく。これは現実の出来事か、それとも性質の悪い幻覚だろうか。

 現実と悪夢があやふやの空間、死病(癌)を暗喩するいも虫、それをないがしろにする生者の驕り、別荘にまつわる因縁。
 わずか17ページに怪奇趣向がたっぷりと注ぎ込まれているんだけど、心に残るのは恐怖よりも嫌悪感のほうが強い。
「長さ1フィート以上(約30cm)、蟹の鋏のような足を生やし、かすかに光を発し、色はくすんだ黄色で、不揃いな瘤がグリグリ出ている(以上p296)」
 こんなのが数千匹、ベッドや踊り場でウニャウニャうごめく。
 いも虫ありき。物語やオチは後付けなんだろうなぁ。う〜ん。

【サイト登録日】2008年1月3日 【ジャンル】幽霊・虫

▽メモ1cancer?

癌のラテン語読み。「蟹(cancer)」

▽メモ2別荘所在地

セストリ・レヴァンテ(Sestri Levante)