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『[新版]怪奇小説傑作集1』文庫表紙

『[新版]怪奇小説傑作集1』文庫表紙

秘書奇譚

Strange Adventure of a Private Secretary in New York,1906

作:アルジャーノン・ブラックウッド(平井呈一訳)

Written by Algernon Blackwood

短編63ページ/『怪奇小説傑作集1[新版]』所収/創元推理文庫

The Great Stories of Horror and The Supernatural,1969

荒涼の地に建つ家と獣のごとき住人
恐怖の一夜を過ごすはめになった秘書の運命

 社長の命を受けた秘書ジム・ショートハウスは、書類を届けるべくロング・アイランドに居を構えるジョエル・カーヴィーを訪問する。
 人里離れた荒れ地、薄気味の悪い家、不気味な猶太人(ジュー)の召使い。ただならぬ気配に不安を覚えるジム。
 無事に仕事を済ませたジムだったが、列車の終時間は過ぎ、外は暗く、みぞれ交じりの悪天候。カーヴィー氏の勧めもあり、一夜の宿をあずかることになる。
「やつ、ときどき頭がどうかするらしいな」と社長から聞いていたジムは、紳士的なカーヴィー氏の物腰に安心するが、夕食の席にて態度が一変する。カーヴィー氏の顔がほんの一瞬、獰猛醜怪なけだものに変貌するや、血のしたたる肉塊にカブリと喰らいつく。気の遠くなるような恐怖におののくジム。
 部屋に通されてからも誰かに見られている気配を感じ、持参した拳銃を手に油断せぬよう気を張っていたジムだったが、ついには眠気に負けてしまい…。

 気味の悪い舞台で起こる恐怖。古典ホラーの流れをくんでいるが、あくまでも近代ホラーに位置する本作。これは舞台までの距離感が違うためだ。20世紀以前の古典ホラーは人里離れた一軒家まで数日〜数カ月かかる遥か遠い場所。一方の近代ホラーでは、交通網の発達もあり、数時間あれば着いてしまう。恐怖はたいへん身近に存在する。この絶対的な距離感が古典と近代を隔てる1つのポイントだと思う。違うかな。
 カーヴィー氏の正体は語られてないが「化学の研究をやっている(p315)」とある。本能の発露、人と獣を同化させる方法などを見つけたのかな。

【サイト登録日】2008年1月13日 【ジャンル】化け物屋敷・人狼

▽メモ1猶太人(ジュー)

ユダヤ(Jew)人の当て字。