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『[新版]怪奇小説傑作集2』文庫表紙

『[新版]怪奇小説傑作集2』文庫表紙

帰ってきたソフィ・メイスン

Sophy Mason Comes Back,1930

作:E・M・デラフィールド(宇野利泰訳)

Written by E.M.Delafield

短編25ページ/『怪奇小説傑作集2[新版]』所収/創元推理文庫

The Great Stories of Horror and The Supernatural vol.2,1969

失恋のあげく殺害された美貌の使用人
40年以上の時を経て出没した女幽霊の悲嘆

 心霊研究に並々ならぬ関心を持つフェンウィック氏。今日はご婦人方にねだられて、フランスの田舎町で起こった幽霊にまつわる話を一席…。
 時は1880年代。南フランスの小さな村に小さな別荘「群雀荘」を構える裕福なワイン商人一家がいた。この家の子息たちの世話係として雇われた齢20の美人なイギリス娘、ソフィ・メイスン。ある日、村で知り合った大地主の息子にして粗野な赤毛の大男アルシード・ラモットと恋に落ち、ついには身ごもる。
 結婚の申し出を待ち切れず、村を訪れたソフィだが、当のアルシードは自分の責を認めない。その日を境にソフィは行方不明になってしまう。
 40年以上の歳月が流れ、アメリカで成功を収めたアルシードは名と身分を変えて村に戻ってくるや、腰を落ち着ける土地を買うため、ワイン商人の元を訪れる。かつてソフィに面倒をかけていた子供もすっかり成人し、商談のための晩餐にアルシードを招待する。その席上で異様な気配が立ち込め、すすり泣く声が…。

 恥知らずで狡猾で残酷。人の悪意の怖さを描いている幽霊話。
 女流作家ならではの着想が2つあり、幽霊がはかなげで悲哀に満ちていること。もう1つは霊媒の描写。「その場のおかしな空気が〜波動のように感じられるのです(p85)」とあり、人の態度や場の雰囲気を察して柔軟に対応できる女性の社会性の高さを表現している。ちょっと大げさかな。
 それはさておき、フランス人をコケにしてる描写が多い。証拠のない犯罪は見て見ぬふりの法律感覚(p82)、恋愛ならば姦通(不倫ってことでしょ)でも罪と考えない(p72)など。イギリス人作家ゆえ? 女性ゆえ?

【サイト登録日】2008年1月21日 【ジャンル】幽霊 ゴースト

▽メモ1「群雀荘(レ・モワノー)」「魂(ルヴナン)」