全作品リスト

書名:短編集

書名:長編

書名:掌編集/実話怪談

書名:ホラー関連書

作家リスト

シリーズリスト

特集ページ

サイトトップへ戻る

本サイトについて

更新履歴

累計:

今日:

昨日:

『[新版]怪奇小説傑作集2』文庫表紙

『[新版]怪奇小説傑作集2』文庫表紙

泣きさけぶどくろ

The Screaming Skull,1908

作:F・M・クロフォード(宇野利泰訳)

Written by Francis Marion Crawford

短編55ページ/『怪奇小説傑作集2[新版]』所収/創元推理文庫

The Great Stories of Horror and The Supernatural vol.2,1969

泣き叫ぶどくろの怪奇現象
悔恨と因果の先に待ち受ける老人の運命

 故人となった甥夫婦の家を相続した老ブラドック船長。園芸をたしなみながら、のんびりとした毎日を送っている。
 そんな船長にも悔恨と悩みがあった。甥夫婦と食事をしたとき、3人の夫を殺害した罪で死刑になったアイルランド女の話を聞かせてしまったのだ。その女、睡眠薬で夫を眠らせ、耳の穴から溶けた鉛を流し込んだという。
 そんな晩餐から三日と経たぬうちに甥の妻が心臓障害により突然死した。夫婦仲がかんばしくないことを知っていた船長は、ひょっとして甥が殺害したのでは、自分の話が引き金になったのでは、と疑念と悔恨を捨てきれない。
 ある朝、海浜で甥の遺体が発見される。喉には咬み傷が残っていたが、不思議と皮膚は破れていない。遺体のそばには真っ白な頭蓋骨が転がっていた。
 これも甥の遺品だろう、と頭蓋骨を引き取った船長だったが、夜になると泣き声が聞こえてくる。頭蓋骨を収めた戸棚から聞こえてくるようだが…。

 老人が悔いを残す過去の出来事、現在起こっている怪異を友人に語り聞かせる一人称の怪奇譚。いかにも怪談らしいオチも不気味でいい。
 さて、読んでいくとわかるけど、そもそも本当に友人と一緒にいるのかという疑問が浮かぶ。「わしとおまえも久しいつきあいだな〜かれこれ五十年ちかくなるじゃないか(p145)」という老人のセリフや、お酒を勧めるシーンなどで友人が存在している風になっているけど、どうにも存在感が薄い。
 暗く沈んだ家、孤独な老人、泣き叫ぶどくろについてブツブツと独り言。そんな情景が思い浮かび、人間の狂気に触れた気がしてゾクゾクした。

【サイト登録日】2008年1月28日 【ジャンル】幽霊・呪い

▽メモ1日本の描写(p144,p171)

(p144)毒殺についての記述「ガラス繊維や馬の毛を刻んで飲ませる」

(p171)薪の素晴らしさをたとえて「日本の線香花火みたいじゃないか」