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『[新版]怪奇小説傑作集2』文庫表紙

『[新版]怪奇小説傑作集2』文庫表紙

スレドニ・ヴァシュタール

Sredni Vashtar,1910

作:サキ(宇野利泰訳)

Written by Saki

短編9ページ/『怪奇小説傑作集2[新版]』所収/創元推理文庫

The Great Stories of Horror and The Supernatural vol.2,1969

偉大なるイタチの王スレドニ・ヴァシュタール
叔母を憎悪する少年の祈りになんと応えるか

 10歳になる病弱の少年コンラディン。そんな彼の自由を奪い、厳しく躾ける後見人の叔母、デ・ロップ婦人。
 空想の世界で遊ぶことを唯一の楽しみとする少年だったが、あるとき、わずかばかりの銀貨と引き換えにイタチを手に入れる。
 庭の道具小屋でひそかに飼い始めると、スレドニ・ヴァシュタールと名付け、それは彼にとっての神となり、宗教となっていく。
 天竺ねずみでも飼っているのでは、と怪しんだ叔母は鍵を取り上げると、道具小屋へ入っていく。その姿を見送りながら少年は邪神への讃歌を歌う。
 スレドニ・ヴァシュタール出陣す。
 計略は血、その歯は皓き歯。
 敵は和を乞えど、死をあたえぬ。
 美しき者、スレドニ・ヴァシュタール(p202〜p203/宇野利泰訳)。

 大好きな作家サキ。短編小説の中でもとりわけ短い作品ばかりだけど、ゾッとする怖さを秘めている。サキの怖さの中心にいるのは人間。心に宿る憎悪、無意識の加虐、無邪気な悪意。冷笑的というか、意地が悪いというか。とにかく人間のいやらしいところを切り取って描く。何度読みかえしても飽きないのは、案外そこに共感しちゃってるのかも。あんまり考えたくないけど。
 本作を読んだのは何回目か数えてないけど、叔母の死を願う憎悪や恐るべきイタチの行為に怖さはなくて、最後に何食わぬ顔でトーストを焼く少年の行動。毎度このシーンでゾクゾクさせられる。

【サイト登録日】2008年1月29日 【ジャンル】呪い・動物

▽メモ1Sredni Vashtarの語意

よくわからないです。Sredniyは「中央」を指すロシア語、Vashtarは「力」を指すサンスクリット語らしいのですが…。

▽メモ2訳書によって邦題が異なる!

『サキ傑作集』(河田智雄訳/岩波文庫)での邦題は『スレドニ・ヴァシュター』

スレドニ・ヴァシュター