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『[新版]怪奇小説傑作集2』文庫表紙

『[新版]怪奇小説傑作集2』文庫表紙

住宅問題

Housing Problem,1944

作:ヘンリー・カットナー(宇野利泰訳)

Written by Henry Kuttner

短編36ページ/『怪奇小説傑作集2[新版]』所収/創元推理文庫

The Great Stories of Horror and The Supernatural vol.2,1969

触れてはならぬ鳥籠に隠された秘密
言いつけに背いた若夫婦の不思議な体験

 町から遠く離れた、絶壁を望む小さな家に住む共働きの若夫婦。少しでも収入を増やそうと部屋を貸し出している。
 間借り人のヘンチャードは、裕福な印象を与える年配の男。部屋に置いている鳥籠は、つねにクレトン沙羅の袋でスッポリと覆われている。
 どんな鳥を飼っているものやら、気になってしかたがない若夫婦。
 ある日のこと。1週間ほど留守にするが鳥籠には絶対触ってはいけない、と言い置いて外出するヘンチャード。
 好奇心を抑えきれない若夫婦は、鳥に水をあげなくちゃ、ともっともらしい口実をつけ、ついに覆いを取り外してしまう。
 そこに鳥の姿はなく、精巧な細工の小さな家が作りつけられていた。家の中からゴソゴソ、トントンと音がし、煙突からは薄い煙が立ち昇っている。
 こんな小さな家にいったい何が潜んでいるというのだろうか。

 ホラー小説の醍醐味の1つに「現実世界に怪異が持ち込まれる過程」を挙げたい。怪奇がスぅ〜、と日常生活に忍びこんでくる瞬間がたまらない。
 それとは逆のことをやっているのが本作。
 主人公の若夫婦は疑う間もなく小鬼の存在を肯定しちゃう。その時点で読み手の視点もファンタジー前提の世界に移り、普通の感覚が希薄になっていく。現実と怪異の線引きがクッキリしているブラック&ホワイトの世界。グレーゾーンは存在してない。ユーモアホラーと読めばよく書けているけど、『怪奇小説傑作集』の一編としては違和感を覚える。好みの問題だけど。

【サイト登録日】2008年2月4日 【ジャンル】妖精