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『[新版]怪奇小説傑作集3』文庫表紙

『[新版]怪奇小説傑作集3』文庫表紙

信号手

No.1 Branch Line:The Signalman,1866

作:チャールズ・ディケンズ(橋本福夫訳)

Written by Chaeles Diockens

短編26ページ/『怪奇小説傑作集3[新版]』所収/創元推理文庫

The Great Stories of Horror and The Supernatural vol.3,1969

不吉な前触れとして出没する男の幽霊
実直な信号手が体験した奇妙な出来事と悲劇

 ひどく陰気な谷間のトンネルの近くに小さな信号所があった。
 手旗を掲げる信号手を見つけたわたしは崖上から声をかけてみる。「おーい、そこの人」。すると信号手は不審な顔でわたしを見上げる。
 崖を下って信号手と世間話に興じるわたし。人生の成功者ではないが、信号手という仕事に大きな責任を持っている真面目で実直な男のようだ。
 翌日も信号手を訪ねたわたしは、そこで奇妙な打ち明け話を聞かされる。
 ある夜のこと。「おーい、そこの人。気をつけろ!」という叫び声を聞き、あわてて外に出た信号手。トンネル脇の赤色灯の下に男らしき人の姿がある。左手で目のあたりを塞ぎ、右手を激しく振り回している。近づいて、男に触れようとしたとたん消えてしまったという。
 6時間後、列車事故が発生し、男が立っていたあたりには死人や負傷者が並べられたのだという。男が出現するたびに悲劇が起こるのは一体なぜか?

 恐怖系ホラーではないけれど、随所にゾゾっとする描写がある。
 とくに信号手が見た光景の1つがイメージを喚起されて怖い。
「列車がトンネルを出てきたとき、わたしの立っていた側の客車の窓ぎわで、手やら頭やらをごっちゃになってつきだし、なにかしきりに振っているように見えました(p83)」(橋本福夫訳)
 その列車を急停止させた信号手は、車内から即死した女性を発見する。やはり男の幽霊は警告のために現れるのだ、と彼は思うんだけど、実はこのとき見た光景は…。2度目のゾクゾクを味わえるラストがお見事。

【サイト登録日】2008年2月14日 【ジャンル】幽霊・予知