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『[新版]怪奇小説傑作集3』文庫表紙

『[新版]怪奇小説傑作集3』文庫表紙

あれは何だったか?

What Was It?,1859

作:フィッツ=ジェイムズ・オブライエン(橋本福夫訳)

Written by Fitz-James O'brien

短編24ページ/『怪奇小説傑作集3[新版]』所収/創元推理文庫

The Great Stories of Horror and The Supernatural vol.3,1969

暗闇から突然襲いくる魔手
目に見えぬ透明モンスターの脅威

 ニューヨーク26番街に建つ立派な屋敷は、幽霊が出ると恐れられ、借り手がないまま3年が経つ。下宿屋を営むモファット夫人の提案で、店子のわたしたちも揃って引っ越すことになった。
 肝が据わった哲学者タイプのわたしたちは、超自然現象に興味を持ち、幽霊の出現を待ち構えていたが、一か月も経つうちに興味は失われていった。
 アヘンを吸って桃源郷を見ることが習慣になっているわたしは、アヘン仲間の医師から「恐怖の最大の要因はなんだと思う?」と質問を受ける。とても夢見る気分ではなくなったわたしは寝ようとベッドに横なった。
 そのとき、天井から何かがわたしの胸めがけて落ちてくるや、骨ばった手で首を絞めてきた。あきらかに殺意がある。腕力には自信のあるわたしは、格闘の末にそいつを組み敷き、縛り上げた。
 犯人の顔を拝むべくガス灯をともしたわたしは肝をつぶした。そこには…。

 肉体があるから幽霊じゃない。透明モンスター小説のほうが的確かもしれない。1859年当時にモンスター実在小説を描いていたことにビックリ。
 19世紀といえば『怪奇小説傑作集1』のように超自然現象を体験するのは、主人公もしくは限られた人のみで、気の迷いかも、幻覚かも、錯覚かも、と正体をボカすことが多い。本作はモンスターの容姿まで描写している。
 故平井呈一氏の巻末解説によると、作者のオブライエンは寡作な人で、南北戦争で戦死したらしい(p459〜p460)。彼が生還していたら、戦地の悲惨さを反映させた恐ろしいモンスター小説が誕生したかもしれない。

【サイト登録日】2008年2月17日 【ジャンル】幽霊屋敷・透明・モンスター

▽メモ1モンスターの描写(p178〜p179)

体は5フィート数インチ、体重は十四歳くらいの少年程度。身体の輪郭や顔立ちは人間そっくり。すべすべとした丸い頭。鼻は小さく、吸血鬼を思わせるような凶悪な容貌