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『ナイト・フライヤー』文庫表紙

『ナイト・フライヤー』文庫表紙

昼食に女性を

Having a Woman at Lunchi,1988

作:ポール・ヘイズル(黒丸尚訳)

Written by Paul Hazel

短編18ページ/『ナイト・フライヤー』所収/新潮文庫

Prime Evil,1988

穏やかな日々を破る女性役員の雇用
ランチの席で起こる残酷なハプニング

 日用品の製造会社に勤務するウェイマーシュ、ペンデニス、マルシャービス、私の4人は、この20年間というもの、近所の店でランチと共にしている。
 オーダーもお決まりで、ウェイマーシュはサバ、ペンデニスはシチューか魚、マルシャービスはグリルド・ビーフ、私はトライプを好んでいる。
 ランチのさなか、取締役補佐のウェイマーシュから女性役員採用の報を聞かされる。ミス・セシリィ・ハート、歳の頃は26、7歳。学位を持ち、大手企業の勤務経験もある。とくにマルシャービスは焦燥感を覚えたようだ。
 その日の午後、取締役に呼び出された私たちは、会社初の女性役員となる噂のセシリィを紹介される。
 その席でペンデニスはランチに招待。親和を図りたいセシリィも快諾する。
 水曜日。ぎこちない空気が流れるランチを採る5人だったが、硬いチョップを切ろうとしたペンデニスのナイフが滑り、刃先はセシリィの指をめがけて…。

 女性の社会進出うんぬんではなく、オジサンたちの暗黙の結託、日常に潜む悪意を描いたブラックユーモア作品。「今回は、言うも悲しいことだが、私のナイフが滑った」(p107)で吹き出してしまった。
 ナイフがスパっと行くのはホラーというかアメリカらしい気がする。日本人ならもっと陰湿な方法使いそうだしね。
 ここまではアメリカン・コーヒーの味わいなんだけど、ラストにはエスプレッソみたいに濃く、深く、暗い笑いが待っている。イヤラしい小説がさらに猥雑になる。スタンリイ・エリンの二番煎じではあるけれど。

【サイト登録日】2008年3月16日 【ジャンル】異常心理

▽メモ1トライプ(p92)

牛や羊などの内臓を調理した料理らしいです。日本で言えばモツの煮込みかな?