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『ナイト・フライヤー』文庫表紙

『ナイト・フライヤー』文庫表紙

血の口づけ

The Blood Kiss,1988

作:デニス・エチスン(白石朗訳)

Written by Dennis Etchison

短編42ページ/『ナイト・フライヤー』所収/新潮文庫

Prime Evil,1988

会社の裏切り行為に激怒した女性ライター
復讐すべくパーティ会場に乗り込むが…

 ストーリー・エディタ見習いとしてTV制作会社に勤務するクリス。のし上がっていく男たちを横目で見つつ、いつの日か自分の才能が会社の目に止まることを想いながら、酷遇と激務にひたすら耐えていた。
 そんな彼女にもチャンスが巡ってくる。ロジャー・ライマンなる素人ライターの投稿シナリオ『ゾンビの女王』をアレンジしたところ、TV局の反応も良く、制作はほぼ決定のようだ。成功を目前にしたクリスに盗作の罪悪感はなかった。
 パーティ出席で不在の上司のオフィスへ修正原稿を届けたクリスは、机のメモにして愕然とする。『ゾンビの女王』は別の脚本家が担当するという。
 クリスは激怒し、復讐を誓う。盗作されたことをロジャー・ライマンに伝え、法的手段を講じるようにアドバイスしてやるのだ。
 ロジャーに連絡を入れ、パーティ会場で落ち合う約束をしたクリスは勇んで出かけるのだが…。

 ショービス業界は魑魅魍魎のホラーな世界。パーティ会場に狂人がいても不思議じゃないし、成功したければ要領の良さ、運、血まみれのキスさえ受け入れる無神経さが必要なのさ、ってことを描いた作品。違うかな。
 劇中劇として『ゾンビの女王』のシナリオが挟み込まれていて、映画監督と若手女優を軸にしたハリウッドの醜い内幕を描くホラードラマになっている。このゾンビは「自分の言いなりになる都合の良い人」の比喩表現として使われているのだと思う。一生懸命にがんばっても認められず、結局は部外者のままキャリアを終わせる主人公とも重なる。

【サイト登録日】2008年3月18日 【ジャンル】幻想

▽メモ1作者デニス・エチスンについて

ホラー短編のアンソロジストとしても有名。ジャック・マーティン名義でホラー映画のノベライズも多数執筆している。『ブギーマン/ハロウィン2』『ハロウィン3』『ザ・フォッグ』とカーペンター絡みの作品が多い。